ITRは1月5日、国内のEDIサービス(クラウド型EDIシステム)市場規模推移および予測を発表した。同市場の2016年度売上金額は、前年度比12.0%増の118億4000万円だったとし、市場を構成するほぼ全てのベンダーが売上を伸ばし、特に上位ベンダーでの高い伸びが市場規模の拡大の要因と分析している。
EDIサービス市場規模推移および予測
EDIサービスは現状、比較的低価格に導入できることから、製造業および流通業を中心に、大企業から中小企業まで幅広い層で導入が進んでいる。また、PSTNマイグレーション(2024年中を期限とした既存の公衆交換電話網のIP移行)、あるいはそれに伴う全銀TCP/IPの仕様の確定などを機に、運用の負担軽減や、今後も予想される各種仕様変更への迅速な対応、人的/物理的コストの軽減などを目的として、2024年にかけてオンプレミス型からクラウド型に移行するユーザーの増加が見込まれる。こうしたことからITRでは、同市場の2016~2021年度年平均成長率を9.8%と予測した。
同社プリンシパル・アナリストの甲元宏明氏は、「今や企業単独でのビジネス推進は不可能であり、多くの企業がグローバル規模で他の企業とのパートナーシップを強化している。B2BのためのITインフラの再構築を望む国内企業は多数存在し、PSTNマイグレーションを契機に今後企業は自社EDIインフラを見直すと考えられ、その際にはEDIのクラウドサービスを最優先に検討する企業が多数を占めるだろう」とコメントしている。