#3:DevOpsにおけるアジャイル開発が進む
Forrester ResearchのアナリストであるDiego Lo Giudice氏は、開発者がエンドユーザーと緊密に協力してソフトウェアを頻繁にリリースするというアジャイル開発と、DevOpsを組み合わせて実践する企業は、これらのイニシアティブを別々に実施する企業よりも優れた成果を上げているという知見を得ている。同氏は「どのような組織であっても、アジャイル開発のみ、あるいはDevOpsのみに注力してものごとを進めていこうとするのは、とにかくいただけない」と述べるとともに、「これらは1枚のコインの表と裏であり、それぞれが他方の面を補完するのだ」と語っている。Forresterの最近の調査によると、アジャイル開発とDevOpsのイニシアティブを組み合わせている企業は、業務/IT部門間のより優れた連携や、より高い機能品質、ビジネス価値のより迅速な実現、継続的な調達、要件を満足する成果に対するより高い予測性を最大で2倍、実現しやい傾向にあるという。
#4:頻繁な新規リリースにはより迅速なアップデートが必要となる
法人向けテクノロジに関する期待の高まりとともに、常にパフォーマンスの高いアプリケーションを確実に提供するというプレッシャーも高まる。Kinsbruner氏によると、ITリーダーは「ソフトウェアの開発ライフサイクル(SDLC)を通じた継続的なテストを実現するためのツールと時間を開発者に与える重要性を認識するべき」だという。また同氏は、「例えば自動化やクラウドを活用するツールによって効率を向上させ、以前であれば手作業による品質検査に費やされていた開発者の時間を他の作業に振り向けられるようにすることで、彼らが開発しているアプリが顧客の期待に応え続けられるようになる」とも述べている。
#5:人工知能(AI)と機械学習(ML)はDevOpsを進歩させる可能性がある
AIやMLを活用したソリューションが市場に登場することで、DevOpsチームの進捗管理を支援できるだけでなく、コードが必要となる場所や時期を予測できるようにもなる。2017年に公開された記事において、Ronald Van Loon氏とDaniel Cronin氏はいずれも、DevOpsのプロセスに認知コンピューティングの能力を追加するAIベースのソリューションについて考察している。例を挙げると、Van Loon氏は「MLのアルゴリズムを用いて人間の業務知識と、ログ情報やオープンソースのリポジトリ、掲示板、ソーシャルメディアのスレッドをマッチングする」テクノロジについて解説している。こういった情報すべてを使用すれば、IT部門の運用チームやDevOpsチームが日々直面しているさまざまな種類の重要な問題の解決につながる可能性のある適切な洞察の宝庫を生み出せるようになる。
とはいえKinsbruner氏は、AIがDevOpsチームの重荷を肩代わりできるようになるまでには、いくつかのことを考える必要があると警告している。同氏は「開発者らはまず、SDLC内、およびDevOpsパイプラインを通じてAIに支援してもらいたいものごとと、その方法を理解する必要がある。理にかなった出発点の1つは、テストの自動化戦略を分析するうえで、どういった活用方法が最適となるのかを見つけ出すというものだろう」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。