ラック 代表取締役社長 西本逸郎
(社内向けのメッセージとして)年頭に当たり大きく3つのことに関して話します。
2018年は、東京オリンピック・パラリンピックの前哨戦と言われているラグビーワールドカップまで残り1年です。社会変革の世界的潮流に乗り遅れている日本ではさまざまな課題があるものの、これらの世界的なイベントを活用し、日本再構築の仕上げをできるところまでやらなければならないことは誰もが認めるところです。

ラック代表取締役社長 西本逸郎氏
政府が進めているIoTやAIを基盤としたSociety5.0、Connected Industryのほか、Connected Car、FinTechなども目に見える形で急速に進むでしょう。つまり、この1年で起きる変化の把握とそれらへの対応が極めて重要となります。
そこで、まず各自が自分の周りや足元から先進テクノロジを活用し、働き方を変えていくことが必要だと改めて申し上げます。技術部門よりも、とりわけ営業や管理部門などからテクノロジの活用が求められています。時代の変化を認識し、自ら速やかにテクノロジの活用に取り組みましょう。
次は、当社の社会的な立ち位置に関することです。生み出す利益は存在価値そのものです。赤字は言うまでもなく、利益成長できない会社はある意味、存続する価値のない会社であるという認識も重要です。皆さんが胸を張って働ける会社であるためには、私たちの強みの一つであるセキュリティ事業は特に確実に利益を上げ、成長に向けての再投資を行った上で、国や企業をしっかりと守れるように腕を磨き続けなければなりません。また、会社の規模も重要です。課題の利益率(収益力)や利益成長力とともに、新聞などの統計の対象となる規模の壁を最低でも突破しなければなりません。
最後は、組織の骨格についてです。このようなことを踏まえて中期経営計画「TRY ステージ 2」を策定するに当たり、組織の骨格を再構築する時期に来ていると考えています。市場の状況は、世界レベルで戦っている金融市場、Connected CarやConnected IndustryにSociety5.0などで構造が変わりつつある製造業や流通業などの多くの産業市場で顧客自体が変化しつつあります。当社もその変化に対応できる体制を準備する必要があります。
私たち自身が持っている技術(=誇れるもの)を最大限に生かせるように、変化している市場に対応できる体制を整えていかねばなりません。具体的には、営業と技術を統合して市場に対して直接的に衝撃力を持つ陣容で臨んでいこうというものです。それにより、市場が変わりつつある今こそ、当社のブランドの柱であるセキュリティ事業と信頼の柱となるSI事業の二本柱を生かし、この変化している市場で思う存分腕を奮っていただくよう期待しています。
同時に、現在進めている「働き方改革」を確実に推進していきます。皆さんに「働きがい」を持ってもらい、生産性を向上させ、また、業務プロセスを変革する活動もさらに推進していきます。こうした取り組みは事業を継続する上で必須となる利益獲得に直結します。必ず成功させましょう。
組織をなぜ変化させる必要があるのかをよく理解してもらい、激動の真っただ中の新しい年を楽しんでください。