内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」

デジタライゼーションによってITプロジェクトの目的が変わる

内山悟志(ITRプリンシパル・アナリスト) 2018年01月17日 07時30分

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 デジタル産業革命が進行する現在、これまでの延長線上の戦略だけでは、成長ばかりか生き残りも困難な時代となっています。ITプロジェクトにおいても、その目的が変化するため、これまでと異なる発想とアプローチが必要となります。

求められる発想の転換

 ITやデジタル技術を活用したビジネスイノベーションや新規ビジネスの創出への取り組みが期待されていますが、最新のテクノロジを活用するだけでイノベーションが創出できるわけではありません。

 押し寄せるデジタライゼーションの潮流や第4次産業革命と呼ばれる大きな転換期の入り口といえる現在においては、海外や異業種からのディスラプター(破壊者)の出現や、新たな価値観や世界観の台頭が著しく、これまでと全く異なる発想が求められるようになっています。

 自社の現在のコンピタンスが、将来のコンピタンスであり続けるとは限らず、逆に足かせとなることさえあり得る時代といえる。自社のコンピタンスや過去の成功体験に縛られすぎると、現状の延長線上の戦略に終始し、イノベーションにつながる斬新な発想を阻害するという場面も多くなっています。

 そこで、自社のコンピタンスは一旦忘れ、産業構造の変化や社会的課題などの外部環境を起点とし、そこから生じる課題やニーズを洗い出し、それらに技術シーズを掛け合わせて取り組むべき戦略施策を発想するアプローチが必要となってきます。

 外部環境の変化には、現在視点と将来視点の2つがありますが、今後イノベーションのアイデア創出には、将来視点の外部環境の変化が重視されるようになるでしょう。現在視点の外部環境の変化にも適切に対応する必要はありますが、それは従来の問題解決型のアプローチで対処することが可能であり、そこから革新的なアイデアが生まれることはまれです。

 将来視点の外部環境の変化は、社会・経済・産業における構造変化、顧客や生活者のライフスタイルや価値観の変化を意味しており、これを見極めるにはそこから生まれてくる未来像を描くことが求められます。今後予想される外部環境の変化は、少子高齢化社会など人口動態の変化、市場のさらなるグローバル化、製品からサービスへの転換など多岐にわたります。AIやIoTなどのデジタル技術の台頭による影響も、将来視点の外部環境の変化として考慮しなければなりません。

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