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スマートフォンからサーバへ進出するARMプロセッサ(後編) - (page 2)

山本雅史

2018-01-25 06:00

 ARMプロセッサの最大の特徴といえるのが低消費電力性だ。Centriq2400の48コア版(通常動作時2.2GHz、最大2.6GHz)は、熱電力設計(TDP)が120Wになっている。IntelのXeon Platinum 8180(28コア)はTDPが205Wであり、Centriq2400はコア当たりの電力性能が非常に高いと言える。

 Centriq2400はSoC化されているため、PCIe Gen3×32レーン、SATAインターフェース×8ポート、USB、I2C、UART、SPI、GPIO、DMAなどのインターフェースをプロセッサ上でサポートしている。メインメモリは、DDR4 2667MT/sを6チャンネルサポートする。1チャンネル当たり最大2枚のDIMMを挿せるため、最大12枚のDIMMを使用(最大768GB)可能だ。また、暗号関連命令を高速化するためにAES、SHA1、SHA2-256などがハードウェアでサポートされている。


Centriq2400は、Falkorコアを最大24ユニットのリングバスで接続し、さらにリングバスにL3キャッシュが接続されている。以前のXeonとよく似た構成だ。Falkorコアに2つのCPUコアが含まれ、最大48コアプロセッサとなる。ストレージやネットワークなどの周辺インターフェースも入っている

Centriq2400は、48コアのCentriq2460、46コアのCentriq2452、40コアのCentriq2434の3モデル。IntelのXeon Paltinum8180、Xeon Gold6152、Xeon Silver4116と同等のパフォーマンスとなっている(Qualcomm資料を加工)

 実際にCentriq2400のサーバボードを見ると、大きなチップはプロセッサだけで、その他のチップはあまり大きくはない。IntelのXeon Scalableなどと比べると、ボード自体も非常にコンパクトだ。

 QualcommがテストしたCentriq2400のベンチマークによれば、48コアのCentriq2460とXeon Platinum 8180(28コア)が性能的に匹敵する(ベンチマークソフトはSPECInt)。Centriq2400のFalkorコアは、一つひとつのコアとしてはXeon Platinumに比べて非力だが、コア数を増やすことでパフォーマンスを高めている。ただし消費電力では、Centriq2460のTDPは120Wだが、Xeon Platinum 8180は 205Wだ。1W当たりの性能比で考えれば、Centriq2460はXeon Platinum 8180に比べて45%以上のパフォーマンスを実現している。価格性能比で見れば、Xeon Platinum 8180(1万15ドル)に対してCentriq2460(1995ドル)と、4倍以上にもなる。

 Xeon Platinumは、Xeon Scalableシリーズの中では、ひときわ高額だが、比較的手頃なXeon GoldやXeon SilverとCentriq2460を比べても、価格性能比は3倍や2倍になる。 このような数字を見れば、サーバ向けに開発されたARMプロセッサなら、IntelのXeonをしのぐ低消費電力性や価格性能比を持っているようだ。


Intel Xeonとの比較でCentriq2400の各モデルは同等のパフォーマンスもしくは若干高いパフォーマンスを示す(Qualcomm発表資料より)

Xeonとの消費電力比較では圧倒的にCentriq2400が勝る。同等のパフォーマンスで消費電力が低いのは、サーバにおいて大きなメリットになる

コスト面ではハイエンドのCentriq2460が1995ドルで、Xeon Paltinum8180に比べて安い

 ただし、ARMのCPUコアとXeonのCPUコアを単独でパフォーマンス比較すると、ARMのCPUコアの性能はXeonのCPUコアの半分程度だろう。Xeonより多数のCPUコアを搭載することで高いパフォーマンスを示しているため、OSやデータベース、アプリケーションなどでは、今よりも多くのCPUコアを利用するようパラレル化される必要があるだろう。また仮想化により、多数の仮想マシンを効率よく動作させることになるだろう。

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