レッドハットは1月17日、マイクロサービスの活用推進の取り組みとしてソフトウェア製品「Red Hat OpenShift Application Runtimes」および「Red Hat OpenShift Container Platform 3.7」の提供開始と、ハイブリッドクラウド/コンテナアプリケーション分野での富士通との協業強化を発表した。
Red Hat OpenShift Application Runtimesは、米国では2017年12月上旬にリリースされている。端的に言えば、“マイクロサービス向けの軽量アプリケーションサーバ”となる。複数のランタイム、言語、フレームワーム、アーキテクチャをサポートし、具体的にはJBoss EAP(Java EE)、WildFly Swarm、Eclipse MicroProfile、Eclipse Vert.x、Node.js、Spring Bootなどがある。
Red Hat OpenShift Container Platform 3.7は、Kubernetes 1.7をベースとしたコンテナ実行環境の最新バージョン。Amazon Web Services(AWS) Service Brokerとのネイティブな統合を図った点が特徴で、「Amazon Simple Queue Services(SQS)」「Amazon Relational Database Services(RDS)」「Amazon Route 53」「Amazon Simple Storage Services(S3)」「Amazon Simple Notification Service(SNS)」「Amazon ElastiCache」「Amazon RedShift」「Amazon DynamoDB」「Amazon Elastic MapReduce(EMR)」「Amazon Athena」の10のサービスを利用できる。
富士通との協業強化では、Red Hat OpenShift Container PlatformのOEM契約締結に加え、富士通の「FUJITSU Cloud Service K5」で新たにRed Hat OpenShift Container Platformをサービスメニューに追加。レッドハットの認定クラウド&サービスプロバイダー「Red Hat Certified Cloud and Service Provider」として、3月からのサービス提供を予定する。
レッドハット プロダクトソリューション本部長の岡下浩明氏
Red Hat アプリケーションプラットフォームビジネスグループ プロダクトマネージメント シニアディレクターのRich Sharples氏
レッドハット プロダクトソリューション本部長の岡下浩明氏は、モノリシックなアプリケーションを分解してサービスをコンテナ化する際に、実行環境となるアプリケーションサーバが複数のアプリケーションを同時に実行することを想定した高機能で大規模な製品であることが課題となっていたと指摘する。同社は、この点の解決を目指した軽量アプリケーションサーバとして、Red Hat OpenShift Application Rumtimesを位置付ける。
また、米Red Hat アプリケーションプラットフォームビジネスグループ プロダクトマネージメント シニアディレクターのRich Sharples氏は、Red Hat OpenShiftを中心とした同社のアプリケーションのモダナイズへの取り組みの概要を紹介した上で、マイクロサービスの進化の様子を概観した。
初期にはアプリケーションロジック側の負担が大きかったものの、OpenShiftなどのプラットフォーム側での支援が充実してきた結果、アプリケーションロジックの負担が軽減されてきているとした。その上で、将来はさらに軽量な「サーバレスアーキテクチャ」に向かって進化が続いていくという展望を示した。