ネットワーク監視をSaaSで提供する米ThousandEyesは1月19日、日本法人「サウザンドアイズ・ジャパン」の設立を発表した。通信経路や障害状況などがリアルタイムに把握できる点が特徴だとしている。
ThousandEyes 製品マーケティング担当バイス・プレジデントのAlex Henthorn-Iwane氏
同社は、2010年に米国サンフランシスコで設立された。クラウドの普及に伴うインターネットを中心としたネットワークの監視ニーズの高まりを受けて、PCなどのエンドポイントからデータセンター、クラウド事業者やオンラインサービスに至るまでのネットワークの状況を把握したり、テストしたりできるサービスを提供している。
記者会見した製品マーケティング担当バイス・プレジデントのAlex Henthorn-Iwane氏は、企業におけるネットワーク利用のトレンドについて(1)インターネット経由によるIaaSやSaaSへのアクセス、(2)APIを利用したシステム連携、(3)SD-WANなど新たなネットワーク技術の台頭――の3点を挙げる。
従来は専用線ベースのネットワーク接続が一般的であり、ネットワーク管理者は自社内のルータやスイッチといった機器を管理して、ネットワークの安定的な運用を行っていた。しかしHenthorn-Iwane氏は、クラウドの利用拡大で従来型の運用管理が難しくなっていると指摘。管理者がクラウド事業者のネットワーク機器までは管理できないため、例えば、「つながらない」といった状況が発生しても、障害発生場所や原因などを知ることが難しい。
Henthorn-Iwane氏によれば、同社では世界約150カ所のクラウド事業者やインターネット事業者などのデータセンターにエージェント(クラウドエージェント)を展開している。企業ユーザーは、サービスを契約して社内データセンターやPCなどのエンドポイントにThousandEyesのエージェントを配備することで、PCからクラウドサービスやウェブサイトまでの詳細な通信経路や、経路上で発生している障害・遅延などの状況を把握できる。また接続先の応答時間といった状況をテストすることで、例えば、クラウドの業務システムへのアクセスを改善に役立てたりできるという。
サービスイメージ
ウェブ管理画面で通信経路の詳細や状況を把握できる
サウザンドアイズ・ジャパン カントリーマネージャーの尾方一成氏
新たに設立した日本法人のカントリーマネージャーには、国内外のネットワークベンダーなどで営業や協業の要職を歴任した尾方一成氏が就任。今後は販路拡大や国内でのサポート提供体制の整備などに取り組む。同氏は会見で、「クラウドの普及や働き方改革などにおいてネットワークの重要性が増し、日本企業が引き続き高い水準のネットワークサービス品質を提供していく支援に取り組む」と表明した。
米Cisco Systemsにおける導入効果