Windows 7の延長サポート終了でPCは丸裸に--JCSSA新年賀詞交歓会

大河原克行

2018-01-24 07:30

 一般社団法人日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)は1月22日、東京・内幸町の帝国ホテルにおいて、新年賀詞交歓会を開催した。会場には、午後から降り始めた雪のなか、IT業界関係者など約680人が参加した。


JCSSA 新年賀詞交歓会の様子

 一般社団法人日本コンピュータシステム販売店協会の大塚裕司会長(大塚商会社長)は、「大雪で足元が悪い中、多くの人に参加してもらった。壇上から見ると、まるで朝のラッシュアワーのホームみたいである」と、参加者の多さを比喩し、会場を涌かした後、「安倍政権に代わって6年を経過し、日経平均株価は好調に推移し、いざなぎ景気を超える景況感もある。有効求人倍率も高度成長期を超える数字となっている。私もバブルのころに現場で営業をしていたが、当時に比べると浮ついた感じはなく、質素である。だが、IT投資は少しずつ動き出し、業界全体が潤い始めた感じがある」と話した。

 さらに「今年のキーワードは働き方改革である。気合と根性だけでは経費削減はできず、単に早く帰るだけでは働き方改革にもつながらない。働き方改革は、ITによって生産性向上を行い、中小企業を伸ばし、日本を強くすることが大切である」とした。

 大塚会長が社長務める大塚商会でも、自らITを活用した生産性向上に取り組んでおり、一例として、その成果についても言及した。

 「1998年当時の大塚商会の年商は3253億円。社員数は6621人であった。これが、2017年度見通しは6710億円と倍増しているが、社員数は7040人と約400人の増加にとどまる。また、1998年の年間休日日数は118日であったものが、2017年は127日であった。残業が減り、休みが増加し、社員数がそれほど増えなくても、売り上げが倍増になっているのは、生産性を上げることができるITによるものだ。このITの良さを顧客に自信を持って勧めていく必要がある」と語った。

 また「5年前にはWindows XPの延長サポート終了に伴う特需があり、前年に比べて2.5倍売れても当たり前という月が続いた時期もあったが、この需要期に導入されたPCがリースアップの時期に入ってくる。これは、IT業界の成長を後押しする材料になる。さらに、中小企業に対するITサービス補助金として500億円規模の予算を獲得でき、成長に向けた環境は整ったといえる。その点でも明るい年になると言える。販売店協会の会員会社は、お客様に先行し、自分たちにIT投資をして得た経験を、有言実行で示して、ITの利活用を進めていくのが役割である」と述べた。


一般社団法人日本コンピュータシステム販売店協会の大塚裕司会長

 また、来賓として挨拶した経済産業省商務情報政策局情報産業課長の成田達治氏は「雪のなかにも関わらず、これだけの人が集まり、熱気を感じている」と発言。

 「株価も上昇し、景気も順調であり、明るい年明けを迎えたのではないか。政府も同じような気持ちで、この明るさをバネに、いい年にしたいと考えている。ユーザー目線に立って、特に中小企業に対して、ITを広く普及することに努めてきた協会加盟各社の尽力に感謝したい。AI、IoT、サイバーセキュリティなど、複雑さが増すなかで役割はますます重要になるが、これらについて、政府は精一杯支援していく考えである。コネクティッドインダスリーズというキャッチフレーズのもと、データをネットワークでつなげて、AI技術を活用し、付加価値の高い商品、サービスにつなげ、人手不足やエネルギー・環境問題を世界に先駆けて解決していきたい」と話した。

 さらに「500億円のITサービス補助金は、中小企業にITの導入を進めることが、社会全体の生産性向上の鍵になるという考え方が背景にある。いつもは厳しい財務省が満額で回答した。今後の国会審議をしっかりとやりたい。また、税制についても、IT導入についての税額控除を行い、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアについても減税となる。これにより、広くITを活用してもらいたい。働き方改革については、ITを活用して、効率性や快適なライフを実現してもらいたいと考えている。官民一体となって、明るいムードをベースに、飛躍の年にしていきたい」と語った。


経済産業省商務情報政策局情報産業課長の成田達治氏

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