調査

働き方改革で企業が克服すべき3つの課題--IDCが調査で提言 - (page 2)

NO BUDGET

2018-01-25 10:12

 さらにIDCでは今後、労働生産性の向上や柔軟な働き方の実現を掛け声だけで終わらせないために克服すべき課題が3つあるとの考えを示した。

 まず、ソフトウェアの導入と活用が十分ではないこと。例えば、紙の書類を使用するビジネスプロセス(稟議、経費精算、さまざまな資料など)、オフィスに集まって実施する会議、情報共有や意思伝達のツールがほぼ電子メールに限られていることなどは、スピーディーな意思決定や円滑なプロジェクト実行上の阻害要因となっている。

 2つ目は、企業文化が改革を阻む可能性があること。仮に最新のソフトウェアを導入したとしても、従業員が新しいテクノロジを積極的に活用する能動的な態度が醸成されていない、また、社内の電子メールでも儀礼的な挨拶文や長文を送ることが習慣となっている企業において、チャットのようなツールが組織の上下間でも問題なく利用されるのかといった懸念がありる。

 最後に、企業のさまざまな規則や制度が柔軟な働き方に対応できないこと。オフィス以外で仕事をすることが原則的に禁止されている、社外での残業を禁止するために会社のノートPCを社外に持ち出すことが禁止されている事例は少なくない。企業では、法律に基づいて従業員の労働時間を管理/監督する義務があり、そのために労働時間と労働場所に関する制約が存在しており、硬直的な働き方の打開には時間を要すると見られる。また、人事評価制度についても、短時間で成果を上げた従業員を評価するといった見直しも必要となってくる。

 同社PC,携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーの市川和子氏は、「働き方改革を成功させ成果を持続させるには、ICTツールの導入や活用に留まらない視点で企業を改革することが必要となる。例えば、企業文化、人材、評価制度、勤務形態といった広範な領域に目を向ける必要がある」と分析している。

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