IBMとSalesforce.comがAI(人工知能)分野を軸とした戦略的提携を強化した。その内容からすると、両社の関係はさらに深まりそうだ。
両社がお互いに「優先的な存在」と認定
両社の発表によると、提携強化の内容として、IBMのAIプラットフォーム「Watson」のパワーをSalesforceの情報共有プラットフォーム「Quip」上で提供する「IBM Watson Quip Live Apps」を新たに構築。また、WatsonとSalesforceの「Service Cloud Einstein」を連携させることで、AIによって次に取るべき最適なアクションを助言する新機能を両社で提供するとしている。
こうしたサービスの機能強化もさることながら、筆者が注目したのは、SalesforceがIBMをクラウドサービスプロバイダーとして優先的に選定する一方、IBMがSalesforceのサービスをカスタマーエンゲージメントプラットフォームとして優先的に選定することを、それぞれ認定したことだ。
両社の提携強化についての発表内容は関連記事を参照いただきたい。また、両社が最初に提携を発表した2017年3月の際の動きについては、2017年3月9日掲載の本コラム「IBMとセールスフォースの提携にみるITベンダー同士の新たな協業形態」をご覧いただくとして、ここでは今回の提携強化にあたって、IBMのGinni Rometty CEOとSalesforceのMarc Benioff CEOが出したコメントを記しておこう。
「Salesforceの優先クラウドサービスプロバイダーとしてIBMが認定されたことは、ビジネスを進める方法を根本的に変革するために企業を支援するIBM Cloudの力を実証している。この提携拡大は、よりスマートにビジネス上の意思決定を下すために企業を支援するWatsonとEinsteinの組み合わせに基づいている」(Rometty氏)
「IBMとの戦略的提携を含め、Salesforceにおけるビジネス全ての原動力は、お客さまの成功にある。IBM CloudとWatsonのサービスをSalesforce EinsteinやQuipに組み合わせることでクラウドとAIのパワーを活用することが可能となり、企業が顧客と新しいカタチでつながるためのイノベーションをさらに加速する」(Benioff氏)