展望2020年のIT企業

スマホ用チップを搭載するタブレットPCの狙い

田中克己

2018-02-01 07:30

 インターネット常時接続型PCが次々に発売される。中国レノボが2018年1月に米ラスベガスで開催された情報家電見本市「CES 2018」で、米Qualcomm製スマートフォン用チップ「Snapdragon835」を搭載したタブレットPC「Miix630」を発表した。価格は約800ドルからで、2018年度第2四半期にも発売する。

 会見には、QualcommやMicrosoft、Googleの幹部が出席し、スマホの使い勝手をPCで実現するLTE通信機能を備えたネット常時接続型ノートPC の新たな活用法を提案する。Lenovoによると「モビリティが格段に向上したMiiX630は、デバイス本体上のビデオならバッテリ駆動で最長20時間まで連続再生できる」という。その実現には省電力なチップが必要になるので、レノボなどはスマホ市場で圧倒的なシェアを持つARMアーキテクチャの「Snapdragon835」を搭載した。


 米HPや台湾のAsusも、同様のノートPCを2017年末に発表している。これらのPCは、米Microsoftが2016年6月に台湾のコンピューテックスなどで提唱したAlways Connected PCに準拠するもの。同社によると「スマホのように瞬間起動し、1週間充電しなくても利用できる。LTE搭載などにより、自動車内でも、空港でも、カフェでも、どこでもネットに常時接続できるのが大きな特徴」と説明する。

 狙いの1つは、PCの利用頻度を高まることで、新しいカテゴリのデバイス市場を創り出すること。いつでも、どこでも使えるPCは、新しい働き方を可能にし、Windows 10のビジネスユーザー層を広げることになる。

 SIMフリーの端末にもなり、通信会社や量販店などでも扱うことになるだろう。もちろん、常時接続したPCが増えると、Microsoft 365やOffice 365、Azureなどのクラウドサービスからの収益が増えることにもなる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  3. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  4. 開発

    「スピード感のある価値提供」と「高品質な製品」を両立させるテスト会社の使い方

  5. セキュリティ

    クラウド資産を守るための最新の施策、クラウドストライクが提示するチェックリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]