つまり、われわれのデジタル体験においては、マスパーソナライゼーションと1対1のエンゲージメントの重要性が増していくのと同時に、体験やデバイス、テクノロジに対して画一的なアプローチを取ることをやめ、各現場での適応を進めていく必要がある。
実際筆者は、この数年、デジタル変革の取り組みが分散化しており、現場でのさまざまな変革の取り組みを集め、中央である程度の調整を行い、得られた教訓やベストプラクティスを交換したものに変わってきているのに気づいた(筆者はこれを「Network of Excellence」と呼んでおり、その具体例は増え続けている)。デジタル変革に対してDIY的なアプローチを取ることも可能になっており、ローコードやシチズンデベロッパー用ツールなどをはじめとして、そのような手法は一般的になってきている。これらは、より安全にデジタル化のスピードと規模を大きくしていくための一般的なアプローチになっていくのかもしれない。
2018年にほぼ確実に起こるのは、デジタルチェンジエージェントの登場だ。正式に任命される場合もあれば、そうでない場合もあるだろうが、これらのチェンジエージェントは、デジタル変革の3つの重要領域を理解し、新たに生まれた改善促進に対する要求への期待に応える取り組みを進め、成果を出し始める。また、より完全で包括的な体験を提供するために必要な、規模の経済と変化の経済という2つの重要なメリットを享受するために、組織を必要に応じて物理的、仮想的に再構築する。
ビジネスやITに関する多くの調査では、2018年のデジタル変革で重視されている分野として、成長や顧客維持、人工知能(AI)、アナリティクス、IoT(モノのインターネット)などが挙げられている。しかし本当の戦略目標は、全体的なレベルの向上だ。
どうすれば、世界水準のデジタル体験をすべての利害関係者に持続可能な形で提供でき、破壊的な変化の悪影響を逃れて、未来への道を切り開けるかが問題になる。これが、2018年にデジタル化によって主要なビジネスゴールを達成しようとする先進企業の、主な目標になるはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。