独SAPとCallidus Softwareは米国時間1月29日、SAP AmericaがCallidus Softwareを買収することで合意したと発表した。
SAPは2017会計年度第4四半期および通期の決算発表に先立って29日、同社の米国での事業を展開するSAP AmericaがCallidusを買収することで両社が合意したと述べた。
今回の合意により、SAPはCallidusの株式1株あたり36ドルを支払うことになる。この価格は直近30日のCallidusの平均株価に21%のプレミアムを上乗せしたものだ。また、直近90日の平均株価と比較するとプレミアムは28%となる。なお、29日の終値である32.70ドルと比較すると10%高いものとなっている。
買収額は合計でおよそ24億ドル(約2600億円)となる。SAPは手持ちの現金と、買収を前提とした借り入れで資金を確保する。
CallidusCloudとして事業を展開しているCallidusはクラウドベースの人事管理ソフトウェアや営業ソフトウェア、「Lead to Money」(Quote-to-Cash:見積から請求管理まで)システム、マーケティングソフトウェア、顧客エクスペリエンスソリューションを提供しており、顧客としておよそ5800社の企業を抱えている。
提供:ZDNet.com
SAPは「今回の買収は実質的に、SAPの2018会計年度における非IFRSの1株あたり利益に影響を与えず、2019会計年度の非IRFSの1株あたり利益に対する増加要因となる」と述べている。
SAPとCallidusは数年前からセールスパートナー関係を培ってきており、SAPは今回、SAPとCallidusのソリューションを組み合わせることで、「『Lead-to-Cash』(リードから請求管理まで)という、最も完成されたかたちの完全なクラウドベースによるエンドツーエンドのソリューション」によって同社のポートフォリオを拡充する考えだ。
SAPはこの買収によって、顧客関係管理(CRM)市場における同社の位置付けが「大きく強化される」とも述べている。
買収が完了した暁には、SAPはCallidusのポートフォリオを整備し、SAPのクラウドビジネスグループの一部として「SAP Hybris」ソリューションに統合する計画だ。
Callidusの最高経営責任者(CEO)Leslie Stretch氏は「われわれはSAPに加わることに心を躍らせている」と述べるとともに、「この動きにより、市場をリードする『Sales Performance』(SPM:販売実績管理)や『Sales Execution』(CPQ:構成/価格/見積もり管理)、『Sales Enablement』(営業力強化)といったクラウド製品を、SAP Hybrisや『SAP S/4HANA』と組み合わせたソリューションという、顧客がまさに望んでいるものを実現できる。これはCRMや『Quote-to-Cash』(見積もりから請求管理まで)というレベルを超え、本当の意味での『Lead to Money』(リードから資金化まで)を実現できる。また、21世紀の業務に皆が必要としているフロントオフィスとバックオフィスをつなぐクラウドともなる」と述べている。
この買収は、Callidusの株主と規制当局の承認を得たうえで、2018年第2四半期に完了する見込みだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。