早い話、われわれはAI好きだということだ。われわれは、既にあらゆるものをAI化するという流れを目にしてきているが、2017年12月に実施されたさまざまな調査においても、人工知能に熱狂的な企業幹部の存在が示されている。以下を見てほしい。
- Accentureは、このほど開催されたダボス会議に時期を合わせて、AIに関する調査の結果を公表した。この調査の対象となった1200人を超える上級幹部のうち72%が、市場において自社を差別化する鍵はインテリジェントテクノロジにあると答えている。
- 同調査によると回答者の61%は、向こう3年のうちにAIを必要とする役割の比率が高まっていくと答えている。
- Infosysが、1000人以上の企業幹部やITリーダーを対象に調査した結果では、AIは実験段階を終了し、配備段階に移ろうとしているという。同社によると、回答者の73%はAI配備が既に業務のやり方を変革したという点に同意している。
- 同社によると、調査対象企業のうち86%はAI配備の中盤から終盤にあるという。
- TD Bankは新規顧客のエクスペリエンスを向上させるためにLayer 6というAI企業の買収を発表した。
- Narrative Scienceの独自調査によると、AI採用は2017年に60%以上の伸びを示したという。
Constellation ResearchのRay Wang氏は最近のレポートで以下のように記している。
競争上の優位性を見出し、破壊に対する恐怖を乗り越えようとするなか、取締役会や企業幹部らはNext Big Thing(次の大ブーム)としてAIに目を向けてきている。AIのサブセットである、MLやディープラーニング、自然言語処理(NLP)、認知コンピューティングのパイロットプロジェクトに対する投資は、科学を目的としたものから、スマートサービスによってけん引される新しいデジタルビジネスモデルに移ってきている。
2017年にテンプル大学で実施されたアナリティクス関連のカンファレンスにおいて、マネジメントに関する疑問が挙げられた。企業幹部から出てきたこの疑問は、アナリティクスの結果が元となるデータの品質によって歪曲(わいきょく)される可能性を考えた場合、ブラックボックスでの意思決定を何とかして避けなければならないという理由から生まれたものだ。企業は次のことを忘れてはならない。自社のデータの品質はおそらく完璧からはほど遠い。そして、完璧な品質のデータがあったとしても、現場は自らが理解できない可能性のあるAIやモデルに信頼を置くとは限らないのだ。AIは着実に普及が進んでいる。このまま普及が進むと、企業はマネジメントにおける難題を抱えることになるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。