スペインのバルセロナで「Cisco Live 2018」イベントを開催中のCisco Systemsは現地時間1月31日、「Kubernetes」ベースのコンテナプラットフォーム「Cisco Container Platform」(以下CCP)を発表した。Ciscoはこれにより、クラウド市場での勝利を手にするために、Kubernetesに賭ける企業の仲間入りを果たしたことになる。
CCPを用いることで、企業はオンプレミス環境とクラウド環境の双方における「Cisco HyperFlex」や仮想マシン(VM)、ベアメタル上で、一貫性のあるアプリケーション配備/管理を実現するマルチクラウドアーキテクチャを構築できるようになる。CCPは、まずHyperFlex上で2018年4月から利用可能になる予定だ。また、他のプラットフォーム上でも2018年夏に利用可能になる予定だという。
Ciscoにとって、CCPの真のセールスポイントは、Kubernetesを用いた拡張可能なコンテナ管理プラットフォームを提供し、セットアップやオーケストレーション、認証、モニタリング、ネットワーキング、ロードバランシング、最適化といった、コンテナクラスタにおけるエンドツーエンドの管理を実現するというものだ。
またCCPは他のオープン配備環境に拡張することも可能であり、オープンソースのコンテナネットワーキングプログラムであるContivとともに用いることも可能だ。そしてContivは、「Cisco Application Centric Infrastructure」(Cisco ACI)と統合できる。これにより、顧客はKubernetesを介してコンテナを配備し、Cisco ACIのネットワークポリシー定義を作成できるようになる。
何故だろうか?CCPは反復作業の自動化によって運用効率を向上させるとともに、本質的に異なる複数のソリューションを用意、設定、サポートする必要性を排除することで、価値を生み出すまでの時間を短縮する。これにより、本番稼働を念頭に置いたコンテナ環境の配備と管理が簡素化される。またCiscoは、既存アプリケーションの刷新や、コンテナのスケーラビリティとパフォーマンスの最適化、CCP向けのエンタープライズクラスのサポート提供といった面から顧客を支援する新サービスも提供する。
Ciscoは、こういったメリットをできる限り容易なかたちでクラウド管理者にもたらそうとしている。CCPは、簡単に使えるユーザーインターフェースと、セルフサービス型の配備、コンテナクラスタの管理を実現している。これらのクラスタは、既存のロール(役割)ベースのアクセス制御(RBAC)モデルと連携できる実績ある認証プロファイルに基づき、プライベートクラウドのリソースを使用する。これによりチームは、他のチームの資産への影響を心配することなく、スケールアウトやスケールインが必要となる状況への対応を含む、クラスタリソースの管理が可能になる。
Ciscoは、新製品である「Cisco HyperFlex 3.0」クラウドプラットフォームからCCPを搭載する計画だ。HyperFlexのこの新バージョンは、コンテナサポートが追加されているとともに「Microsoft Azure」上での使用が可能になっている。
CCPの価格体系は、配備されるクラスタノードの数に基づいたサブスクリプションベースのものとなり、数量割引も用意される予定だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。