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セールスフォースは価格交渉に使えるAIをどう作ったか - (page 3)

Larry Dignan (ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2018-02-06 06:30

--データサイエンティスト不足が問題になっています。この専門家不足は、AIの大衆化にどのような影響を与えるでしょうか。

 世の中には、あらゆる企業が必要とするプロジェクトを実行できるだけのデータサイエンティストはいません。Salesforceでは、AIを大規模に提供して、誰にでも使えるようにしたいと考えています。あらゆる規模の顧客にシームレスでスケーラブルなAIを提供するため、普通なら多くのデータサイエンティストを必要とする面倒な作業をSalesforce側で行い、複雑さを取り除きました。

--人間が持っている営業や価格付けのスキルはAIにどの程度影響を与えているのでしょうか。この人間の技能は、Salesforceのモデルにどの程度影響を与えていますか。

 価格付けのスキルは、営業担当者の行動が持つ人間の側面です。同僚のBorenと私がこの価格決定ソリューションに取り組んでいる間に、条件がほとんど同じなのに、契約価格がまったく異なる契約をいくつも見つけました。われわれは、その違いが顧客や製品に関する変数から来るものではなく、契約に関わった人間、つまり営業担当者や営業マネージャーから来るものであることを知りました。

 心理学的および行動学的条件のレイヤを導入することで、価格のばらつきの一部を説明できるようになりました。これには、営業担当者の経験レベル、マネージャーの価格決定に関する知識、営業担当者のノルマ達成度などが含まれます。つまりわれわれは、一部の営業担当者は価格決定のスキルに長けていることを知ったわけです。問題は、この捉えにくい要素をどのようにAIモデルに取り込むかでした。

 実行したことの1つは、契約獲得率が高いにもかかわらず、高い利益幅を確保していた価格決定の名人から学ぶことでした。われわれは価格決定の名人に話を聞き、聞き出した価格決定のベストプラクティスをモデルに取り込みました。開発したAIモデルは、助言として「エキスパート向け」の目標と「望ましい」目標を提示します。「エキスパート向け」の目標は、上位25%を構成する価格決定の名人の価格づけパターンから生成されたものです。一方「望ましい」目標は、達成できる可能性が比較的高く、経験の少ない営業担当者にとってよいベンチマークになり、しかも顧客と売り手の両方が満足できるものです。


 また、価格決定が得意な営業担当者は、単なる値引きだけではなく、契約の形を工夫していることも学びました。このため、われわれのモデルでは交渉のレバーを提供しています。交渉のレバーとは、営業担当者が顧客に適切な値引率を提示しつつ利益幅を確保できるような、契約条件や契約期間の選択肢のことです。

 われわれにとって、これは氷山の一角です。ほかにも、営業担当者が助言の信頼度を判断するための統計学上の信頼区間を提示するなどの、別のテクニックについても検討しています。この情報は、営業チームが判断を下す際に役に立つでしょう。われわれはこれを、AIと営業担当者が協力して最善の価格にたどり着く、拡張的なインテリジェンスの取り組みにしたいと考えています。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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