はじめに
自動運転やAIなどの技術が盛んに話題になり、徐々に人が関与する必要がない社会に向かっている世の中ですが、IT(システム開発)の世界も例外ではなくここ数年で「自動化」案件が増えてきました。
もともと、ITとは既存の作業をコンピュータに担ってもらうことで自動化、効率化するための技術であり「システム開発の自動化」と聞いても馴染みのない方はピンとこない、あるいは「今までなかったのか」と思われる方もいるかもしれません。
実際のところ、システム開発における自動化という技術自体は以前からありました。しかし顧客は必ずしも最新の技術を求めているわけではなく、どちらかといえば「導入実績」を求める傾向にあります。
最新の技術を駆使したシステムは、メリットはもちろんありますが、障害が発生すると最新ゆえにナレッジが少なく、復旧に時間を要したり、ほかのシステムと連携がうまくとれないといったデメリットも少なくありません。
金融機関などの社会インフラ系のシステムではわずか1秒の停止もあってはならないことで、そうすると必然導入実績の多い、つまり安定稼働するシステムが選択されることになります。
ではなぜ、ここ数年で「システム開発の自動化」は増加しているのでしょうか。その背景を説明していきます。
自動化の背景
ひとえにシステム開発と言っても、規模によって構築するサーバ台数にはかなりの差があります。小規模なものでは数台、大規模なものだと1000台を超えることも。大規模なシステム開発は減少傾向にあるのかと思いきや、ビッグデータを扱うシステムやクラウドの登場により年々増加しています。それに沿うように、ITエンジニアは慢性的に人手不足です。
サーバが数台程度のシステムなら、少人数でも問題はありませんが1000台を超えるような大規模システムを数人で構築するというのは、さまざまな面から考えてハイリスクです。そうなると「自動化」が選択肢に入ってきます。
また、小規模なシステム開発だからといって自動化を取り入れないかというとそういうわけではありません。小規模なシステム開発での導入実績が増えていったことで大規模なシステムでも自動化を取り入れよう、ということになりました。
冒頭で述べた自動運転やAIといった時流に乗ったわけではなく、ある種必然的にシステム開発の自動化が選ばれるようになってきたのです。