Cisco Systemsはネットワーキングポートフォリオに複数のアナリティクスツールを追加した。これには、データセンターのヘルス状態をモニタするアルゴリズムのほか、本社や支社からエッジに至るまでの情報を集約するインテリジェンス機能、アプリケーション間の関係をモニタするソフトウェアが含まれている。
スペインのバルセロナで現地時間1月29~2月2日まで開催された「Cisco Live EMEA 2018」イベントで発表されたこれらツールは、同社の「インテントベースのネットワーク」のポートフォリオを拡充するものだ。その狙いは、さまざまな分野で適応、進化できるネットワークを作り上げることにある。
Ciscoのネットワークおよびセキュリティ事業を担当するゼネラルマネージャーであるDavid Goeckeler氏によると、今回の発表を見れば、Ciscoがいかにして同社のポートフォリオ全体でインテリジェンスとアジリティの向上を図っているのかが分かるはずだという。
「多くの企業が人工知能(AI)や機械学習(ML)といった用語を使っているものの、アシュアランスという言葉は用いられていない。これは、いかにして業務上のポリシーから、ネットワークが実施すべきことへと展開していくのかという問題だ。ネットワークがユーザーの望み通りの動作をしていることをどのようにして検証すればよいのだろうか?」(Goeckeler氏)
また今回のツール追加は、同社がよりソフトウェアベースの企業となり、顧客によるネットワークの視覚化や、依存性の発見、迅速なトラブルシューティングの実現に力を入れていることを表している。Goeckeler氏によると、仮想マシン上での稼働に対応したアプリケーションを用いることで、ネットワークはテレメトリデータをエンドツーエンドで効率化するようになってきているという。
ScotiaBankのチーフネットワークエンジニアであるNicholas Yurkovich氏は、インテントベースのネットワークとアナリティクスチームを活用することで、同社のワイヤレスネットワークと、データセンターやアプリケーションへの接続における稼働時間とトラブルシューティングの改善を実現してきていると述べている。
![Cisco New Assurance Innovations](/storage/2018/02/05/4ed6d2eefeff9e2f54c2a69c6e43112f/cisco-assurance-intent-networking.png)
Ciscoが発表したアナリティクスツールは以下の通りだ。
- 「Cisco Network Assurance Engine」:この製品はネットワークのヘルス状態を継続的にモニタするとともに、モデルを使用してネットワークの問題をピンポイントで特定できるようにする。これらのモデルは30年に及ぶネットワーク運用データに基づいている。問題が検出された場合、CiscoはITチームによる変更の影響を予測し、ネットワーク停止の回避に積極的に取り組み、セキュリティプロセスへの準拠を確実なものにする。また、「Cisco Application Centric Infrastructure」(Cisco ACI)と「Cisco Tetration Analytics」をNetwork Assurance Engineに接続することで、ネットワークとアプリケーションのモニタリングを連携できるようになる。
- 「Cisco DNA Center Assurance」:この製品はユーザーとアプリケーションの振る舞いを結びつけることによる予測を実現する。DNA Center Assuranceによって問題の切り分けが可能になるため、ITチームは問題の根本原因を迅速に見つけ出したり、問題を再現したり、順を追った改善策を提示したりできるようになる。
- 「Cisco Meraki Wireless Health」:この製品はネットワークおよびITの運用を自動化するためのクラウド型のITマネジメントツールだ。これは、パフォーマンスが目標に達していないアクセスポイントを特定し、サービス品質を向上させるための洞察を提供する。
Ciscoはこれらのツールを展開することで、同社のアナリティクスソリューションに磨きをかけていこうとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。