データは進化を遂げています。少し前まではデータはテープや古いサーバに保存され、地下室でほこりにまみれていました。デジタル経済でビジネスの実施に付随する副産物と見なされてきました。ところが最近では、データが企業の最優先事項となっています。データの潜在能力に気づいた企業・組織は、そこから価値やベストプラクティスを引き出すために、エグゼクティブが最優先に検討するべき課題となっています。
企業におけるデータ
現実には、私たちは日常生活やビジネス上の意思決定でデータを重視するデジタル社会に暮らしています。ほぼすべての企業がデータに関与し、統合、コラボレーション、コスト削減の恩恵にあずかろうとしています。しかし、そうした価値を獲得することはそれほど簡単ではありません。
理由の1つに、近年、データ量が圧倒的に増加していることが挙げられます。IDCによると、全世界のデータは2025年までに163ゼタバイト(ZB)に増大すると予測されます。これは今日のデータ量の10倍以上に当たります。その上、このデータの大部分は、企業が生み出し、管理するものになります。
しかし同時に、システムのフロントエンドにあるデータ1テラバイト(TB)につき2TB以上のバックエンドコピーがあると推測されています。歴史的には、このバックエンドまたはコピーされたセカンダリデータは、企業のコンプライアンスとバックアップの目的で使用され、保険証書のような役割を果たすのみでした。企業は、このコピーされたセカンダリデータからあまり多くのものを求めず、これらのデータが何の価値も生まないままに、貴重なリソースを食うままにさせていたのです。
セカンダリデータの価値の高まり
そうした状況が変わりつつあります。組織はますます、セカンダリデータがビジネスの成長と発展に貢献することを求めるようになりました。それと同時に、企業内でシフトが見られるようになり、その結果、何がプライマリデータで何がセカンダリデータなのか、あいまいさが増しています。従来、使用中のデータやオリジナルのデータはプライマリに分類され、コピーデータ、バックアップデータ、ディザスタリカバリ(DR)用データは大まかに言ってセカンダリと考えられてきました。
しかし、今やプライマリとセカンダリの境界線があいまいになっています。セカンダリのコピーデータは盛んに利用されるようになり、かつてはリソースを食う重荷と見なされていたデータから、企業が真の価値を引き出す存在へと変化しています。そのようにして、セカンダリデータはいくつもの重要な分野でその価値を見出され、企業の中での地位を高めています。
1.洞察
組織が保有するデータの中で使用されるアクティブデータはわずか25%と推定されており、データの大部分はセカンダリデータストアに置かれています。ビジネス分析に残りの75%のデータを含めることができないシステムは、組織が行うレポートや分析の精度に明らかに悪影響を及ぼすという欠陥があることは言うまでもありません。過去から蓄積してきたデータは正確な予測の基盤になるだけでなく、データセット全体を利用することで、分析の全体的な精度が向上します。