東京発電は、モノのインターネット(IoT)技術を用いて水力発電所の設備保全を高度化する。その一環として、水路設備周辺の斜面の状態変化が水路設備にもたらす影響を監視する実証実験を開始する。
実証実験は、東京発電が保有する水力発電所「仁科川第三発電所」(静岡県賀茂郡西伊豆町、最大出力530キロワット)で3月末まで実施予定。水圧管路周辺の急斜面地にセンサを設置し、斜面の状態変化を監視する。振動、傾斜、温度、湿度などに加え、雨量や映像といったデータも集める。実験を通して監視手法としての有効性、設備保全への適用性を評価する。
システムには、日本ユニシスの「斜面状態モニタリングサービス」を活用。同社はサービスの特徴として、斜面の状態変化を監視し、その情報を利用者に提供することで、事前に避難準備を整えたり、いち早く避難行動を取ったりすることが可能になると説明する。
これまでに、熊本県阿蘇郡西原村、静岡県伊東市の斜面環境に同センサを設置し、斜面の状態傾向を分析するアルゴリズムの研究、センサのデータ収集精度の検証を重ねている。
実証実験の概要図(出典:日本ユニシス)