運用上のメリットの先にあるものを見据える
Forrester Researchの最新レポート「From Grease To Code:Industrial Giants Bet Their Future On Software」(グリースからコードへ:産業分野の大手企業はソフトウェアに未来を託す)では、現時点で起こりつつあるシフトを分析している。またこのレポートでは、産業分野の大手と産業向けIoTプラットフォームだけでなく、新たな機能を提供され、その使用方法や統合方法、活用方法を理解しようとしている企業にも目を向けている。同レポートに登場するほぼすべての企業は、IoTを活用した予測メンテナンスなどによる運用上の利点に着目している。
このようなメリットは簡単に説明、評価できることが多く、問題も十分に把握されており、意思決定を仰ぐ責任者の数が比較的少なく、すり合わせもそれなりに容易であるという点から、これらに焦点を当てるのは筋が通っている。
しかし、既存のプロセスを徐々に改善していくだけで済むと考えるのは大きな間違いだ。包括的な観点に立ち、さまざまな利害関係者と多くのシステムを巻き込むとともに、IoTとデジタル化、洞察によってけん引される業務運営がどういったものになるのかを見出すという本当の難題に取り組むことの方がずっと重要なのだ。
リッチなデジタルエクスペリエンスは、素晴らしい出来の高級車を置き換えるものではなく、信頼性と障害復旧性に優れた産業機械を置き換えるものでもない。その能力を拡張していくものなのだ。
-- Paul Miller(Forrester Researchのシニアアナリスト)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。