日本ヒューレット・パッカード(HPE)は2月15日、顧客のオンプレミス環境で従量課金型のITインフラサービスを提供する「HPE GreenLake」の国内提供を発表した。IT製品の調達から設計、構築、運用、保守までをサービスとして提供する。
HPE GreenLakeは、同社がこれまで提供してきたITインフラサービス「HPEフレキシブルキャパシティ」を再構成し、新たなブランドとして展開するもの。IaaSモデルの「HPE GreenLakeフレックスキャパシティ」と、ワークロード別のソリューション群「HPE GreenLakeソリューション」を用意する。サーバやストレージ、ネットワーク機器を同社が用意して利用企業に設置する。利用量に応じて使った分だけ月額課金される仕組みだ。
記者会見で事業戦略を説明する米HPE Senior Vice President&General Manager for Global Client ServicesのPavesh Sethi氏
GreenLakeフレックスキャパシティは、Azure StackやHPE Synergy、3PAR、StoreOnce、SimplivityなどのITインフラをベースとしたパッケージを用意し、基本構成や保守内容などをメニュー化して導入しやすくしている。オンプレミス環境で稼働させながら、運用管理を自動化させられるといったメリットがある。
GreenLakeソリューションは、ワークロード別にパッケージ化されたソリューション群。Hadoopソリューションの「ビッグデータ」、VeeamやCommvaultをバンドルした「バックアップ」、EDB Postgresを用いた「オープンデータベース」、IoT技術とサービスを提供する「エッジコンピューティング」を用意。SAP HANA向けの環境構築から運用までを含めたソリューションも提供する。
日本ヒューレット・パッカード Pointnext事業統括 執行役員 小川光由氏は、消費モデルの需要拡大を指摘する。米IDCの調査によると、2020年までに80%のITインフラが消費モデルになるという。そうした市場変化の中で、GreenLakeは「オンプレミス環境でありながらITを投資から消費へとシフトする選択肢になる」と強調した。
「多くの企業では、クラウドやオンプレミスの優れた点を選びながらITインフラを構築しているのが現状。GreenLakeはクラウドとオンプレミスのいいとこ取りだ。なかなかクラウドに移行できない企業でも、オンプレミス環境でその恩恵を享受できる」(小川氏)
GreenLakeについて説明する日本ヒューレット・パッカード Pointnext事業統括 執行役員 小川光由氏