海外コメンタリー

生き残りをかけた「企業文化とソフトウェア」の変革 - (page 2)

Joe McKendrick (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2018-02-20 06:30

 ソフトウェア戦略の継続的な修正とは、基本的に、継続的に実験し、小さなソフトウェアやサービスを追加したり、削除したりしながら、その影響を評価していくという手法だ。継続的な修正は簡単に思えるかも知れないが、Dehghani氏は「それを支えるための構造やインフラを作る必要があるが、これは組織全体に根本的な変化をもたらすものでなければならない」と説明する。「非常に残念だが、ときには、多くのハードルを乗り越えて実験した結果、非常に小さな変更で業績に大きな影響を与えられることが分かったにもかかわらず、すべてのトラフィックを支えられる本格的なコードを用意する余力がないことが分かって、本格的な導入が見送られることもある」

 Dehghani氏によれば、継続的な実験に基づく継続的な修正を実践するために必要なコンポーネントには、次のようなものが考えられるという。

  • API:APIは、素早く低コストで実験する上で重要なツールであり、簡単に発見でき、マニュアルが十分に整備され、セルフサービスで利用できるものにする必要がある。
  • セルフサービス型のデリバリインフラ:開発者が短いリリースサイクルでアプリケーションをリリースするには、デリバリインフラが重要になる。
  • ネットワーキングおよびルーティングを開発者自身でできる環境:開発者は、自分でネットワークやルーティングの設定ができる必要がある。
  • 評価指標:Dehghani氏は、開発者が「評価指標を把握し、可視化して、それに基づいて意思決定を下す手段を持っている必要がある」と述べている。

 企業はできるだけ早くデジタル活用能力を身につける必要がある。手遅れになるまでに残された時間が少ない市場や業界も多い。しかし、ソフトウェアが世界を飲み込み始める前に、企業文化がソフトウェアを飲み込みつつある。変化のスピードに付いていくためには、この記事でも説明した継続的修正のような、ペースが早く、柔軟な導入モデルが役に立つかも知れない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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