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VMware on IBM Cloudの衝撃--IBMがクラウドとWatsonの事業方針を説明 - 13/15

怒賀新也 (編集部)

2018-02-19 16:26

 日本IBMは2月19日、クラウドとコグニティブコンピューティングであるWatsonに関する事業方針説明会を開催した。VMware環境をIBMのベアメタル環境「IBM Cloud」に移行する新サービスを同日に開始すること、Watsonのデータ基盤を生成する「IBM Watson Data Platform」の2つを発表した。

 日本IBMの取締役専務執行役員IBMクラウド事業本部長を務める三澤智光氏は2018年の事業戦略として「既存システムのクラウド化およびクラウドネイティブなアプローチの推進、Watsonの進化、ビジネスパートナーとの取り組み強化」の3つを掲げた。

日本IBMの取締役専務執行役員IBMクラウド事業本部長を務める三澤智光氏
日本IBMの取締役専務執行役員IBMクラウド事業本部長を務める三澤智光氏

 「ビジネスのためのクラウド」を強調する三澤氏。クラウドネイティブな技術活用をするスタートアップなどだけでなく、オンプレミスシステムを持つ一般企業を含めて、IBM Cloudを浸透させていくとの考えを述べた。

 既存システムという際に主に指すSoR(Systems of Record)と、SoE(Systems of Engagement)と呼ぶクラウドネイティブな新たなアプリケーションが重要とし、新旧とも言えるその2つをAPIで連携させて構築するのが今後のトレンドだと説明する。

 中でも具体的な取り組みとして中核となるのが、この日発表した「VMware on IBM Cloud」だ。現状、オンプレミスの基幹システムをVMwareベースで構築する企業は多く、これまではそのクラウド化は難しいとされていた。だが、VMwareとの連携により、そのVMwareベースのオンプレミスシステムをそのままクラウドに移行する、三澤氏が繰り返した言葉で言えば「Just Lift」の手法を指す。

 2016年秋に、AWSが「VMware on AWS」を米ラスベガスの自社イベントで発表。現状、日本ではまだ展開しておらず、IBMはAWSを横目にサービスを開始した面がある。

 特に、オンプレミスのVMware環境と、IBM Cloud環境間のシステム連携において、L2延伸でIPアドレスの変更が不要であること、マイグレーションによるダウンタイムがないこと、ネットワーク仮想化機能であるVMwareの「NSX」も移行対象になっていること、vSphere 5.1以上ならアップグレードの必要がないことなどは、両社間ならではのきめの細かい機能であるとしている。

WatsonにおけるIT部門の役割は

日本IBM執行役員、ワトソン事業部長を務める吉崎敏文氏
日本IBM執行役員、ワトソン事業部長を務める吉崎敏文氏

 Watsonの新サービス「IBM Watson Data Platform」について発表したのは、日本IBM執行役員、ワトソン事業部長を務める吉崎敏文氏だ。Watsonは2016年の日本語版提供開始以来、多くの企業が本番環境で導入してきている。その経験から、「企業向けのAIでは、顧客自体のデータ整備が最大の課題と再認識」した。そこで、2018年1月にWatson事業とクラウド事業の一部を統合、ワトソン&クラウド・プラットフォーム事業部を発足し、IBM Watson Data Platformへの注力を開始した。

 IBM Watson Data PlatformはIBM Cloud上で稼働するデータ分析基盤であり、データをWatsonに効率的に提供できるようにするためのデータプラットフォームという位置づけになる。

 吉崎氏はZDNet Japanに「Watasonを導入しようとした際に、当初はIT部門が介入する余地はないように見える。だが、事業部門が好きなように導入した後で、(コンプライアンスなどの理由で)結局それを管理する必要が出てくる」と述べた。管理といった場合、具体的にはIT部門によるデータ管理を指すことになり、それがこの日発表したWatson Data Platformという新サービスにつながってくる。

 Watson Data Platformで現時点で提供しているのは次の機能。

・Data Science Experience(DSX)

 Data Scientist、Business Analyst、Developerなどチームでの分析を可能にする統合分析環境サービス。

・Data Catalog

 DSXで利用するクラウド、オンプレミスにあるデータを見つけ、カタログ化する。全データを対象ににした豊富なメタデータ索引などの機能。

・Data Refinery

 β版として提供中。DSXでの分析を可能にするようデータを加工、連携させる

・Dynamic Dash Board

 β版として提供中。ダッシュボードとレポートを作成。データを可視化し、ダッシュボードを複数部門で共有する。

 また、三澤氏による重点施策の1つとして、パートナー施策「IBM Cloud Partner League」も発表した。顧客のオンプレミス環境をそのままクラウドに移行すること、クラウドと既存システムを簡単に連携させること、クラウドネイティブアプリを実装することを目指す。

 「まずはビジネスの数が多そうなVMware環境から行く」と三澤氏。第一弾となる「VMware on IBM Cloud League」にはIntec、AIT、S&I、ELTEX、KEL、CREATIONLINE、システム情報、日本情報通信、Bell Data、ミライト情報システムがパートナーとして挙がっている。

 下記は説明会の資料。

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