第2の層は業務に焦点を当てたものだ。この層では、業務アセットが生成するデータが持ち込まれ、さまざまな主要なエンタープライズアプリケーションと組み合わせられる。Khurana氏によれば、この基礎的なプロセスによって、ビジネスプロセスに関する知見を得ることができるはずだという。
「それにはまず、各資産が安全に接続されており、適切なデータを送信している状態にしなくてはならない」と同氏は言う。「情報からノイズを取り除いて、どんなパラメータがデジタル活用能力を伸ばし、組織内の変革を促進するかを探る必要がある」
デジタルツインのアプローチをアクションにつなげる
このプロジェクトは未完成かもしれないが、その目線は高い。Khurana氏は、設計上のデジタルツインを用いるアプローチで、営業利益率が15%増える可能性があると予想している。同氏は予測的メンテナンスを例に挙げ、6カ月以内にあるポンプのベアリングが故障することを知ることができるかもしれないと語った。
McDermottはこの予測のメリットを享受できるようになるだろう。同社は各施設のポンプからデータを収集するようにする予定で、機械学習により、いつポンプが故障しそうかを知ることができるようになると見られている。「これは、故障するまで機器のメンテナンスを待つ必要がなく、事前にメンテナンスできることを意味している」と同氏は言う。
Khurana氏は、自律的なエージェントを使って、エンタープライズシステム経由で部品を調達し、社内の専門家に連絡を取り、人やロボットによる現場でのメンテナンス作業を支援するツールを集められるような将来像を思い描いている。「それがデジタルツインアプローチの本当の価値だ。これで、デジタル化による変化の潜在的な影響に対する不信感を払拭できる」とKhurana氏は述べている。
同氏は、この戦略をメンテナンスや設計、生産などの最適化に幅広く利用できると考えているほか、開発者にプラットフォームの拡張を支援してほしいと考えているという。Khurana氏は、デジタルツインが役に立つもう1つの例として、12~18カ月かかる複雑なプロジェクトにおける、設計から生産への引き継ぎプロセスの管理を支援できるかもしれないと述べている。