国内でのデータセンター開設と中堅中小企業向け事業の強化を発表したオラクル。果たして、日本市場への“クラウド攻勢”は奏効するか。
国内データセンター開設と中堅中小企業向け事業強化
「今回発表した取り組みは、お客さまからのご要望にお応えしたものだ」――。日本オラクルのFrank Obermeier CEOは、同社が先頃開いたクラウド事業戦略に関する記者会見でこう語った。その取り組みとは、国内での自社データセンターの開設と、中堅中小企業向け事業の強化である。
データセンター開設の時期は明らかにしなかったが、クラウド事業の拡大に伴って米Oracleがグローバル展開しているデータセンターの一環として、日本に設置することを明らかにした。開設するデータセンターからは、IaaS、PaaS、SaaSなどのクラウドサービスとともに、人工知能(AI)やブロックチェーンなどの新しい技術を利用できるサービスも提供していくという。
国内にデータセンターを設置することにより、オラクルは日本企業の顧客に対してデータのガバナンスとともに、より迅速なサービス展開が行えるようになる見込みだ。
また、中堅中小企業向け事業の強化では、新たな営業拠点として「Oracle Digital Hub Tokyo」を日本オラクル本社内に開設。マーケティングオートメーションを導入したデジタルマーケティング、SNSなどを使ったソーシャルセリング、ウェブカンファレンスによるライブデモなど、新たな営業スタイルを推進するとしている。
同社は2017年、中堅中小企業向け事業の強化に向けて「Oracle Digital」と名付けた営業組織を結成。現在200人規模の同組織の人員を2018年度(2018年5月期)内に倍増させる計画だ。さらに、中堅中小企業がクラウドサービスを導入しやすいように、ニーズの高いサービスを組み合わせた“パッケージ商品”を揃えていく構えだ。
Obermeier氏はOracle Digitalについて、「お客さまから大きな反響があり、非常に強い手応えを感じている。今回、その営業拠点となるHubを開設することで、さらに事業拡大の勢いをつけていきたい」と意欲のほどを語った。
なお、Obermeier氏が会見で説明した内容については、関連記事を参照いただきたい。

会見に臨む日本オラクルのFrank Obermeier 取締役 執行役 CEO