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日本株展望

「自社株買い」で株価が上がるホントの理由をやさしく解説 - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2018-02-21 12:09

自社株買いが株主への利益配分になる理由

 「自社株を買うんだから株価が上がるのでしょ」と自社株買いの意味を「買いが入る」という需給材料だけと考えている方もいる。

 確かに「自社株買い」を発表した企業の株価が短期的に大きく上がることもある。自社株買いをネタに短期筋が買い上がるとそうなる。でも、それだけならば短期的な株価材料にしかならない。企業の投資価値が変わらなければ、いずれ売られて元の株価に戻るだろう。

 自社株買いの意味は「買って株価を押し上げる」ことではない。「1株当たりの利益を増やす」ことにある。

 自社株を買うと発行済み株式数が減る。会社の利益総額が変わらなければ1株当たり利益が増える。「1株当たりの利益が増えることを好感して株価水準が高くなる」ことが期待されるわけだ。

 少し分かりにくかったかもしれないので「例え話」で説明する。40個のケーキ(企業の純利益)を株主10人で均等に分け合うことを考えていただきたい。1人4個ずつもらえる。ここで企業が自社株買いを実施し、株主2人の株を買い取ったとする。すると株主数は8人に減るので、1人当たりのケーキの割り当ては5個に増える。

 自社株買いとは、株式数を減らすことで1株当たりの分け前を増やすことでもある。

会社にもメリットがある自社株買い

 自社株買いは株主へのメリットが大きいが会社にもメリットがある。買い取った自社株に対して、会社は配当金を払わないで済む。買い付けた株数の分だけ配当金の支払い総額を減らすことができる。

 米国企業は自社株買いを財務戦略の一環として重視している。昔、米国企業の投資家説明会で、自社株買いの目的を「自社株への投資が一番利益率が高いので実施する」と説明していたのを聞いたことが印象に残っている。

 簡単な例で説明しよう。

 A企業が余剰キャッシュを10億円持っていたとする。その使い道に、(1)設備投資、(2)借金返済、(3)自社株買い、(4)大口定期預金の4つの選択肢があったとする。

  1. 設備投資のニ-ズなく無理に投資しても投資利回りは2%しか期待できない
  2. 借入金利は2%
  3. 自社株の配当利回りは3%
  4. 大口定期預金の利回りは0.01%

 この場合、自社株買いの利回りが一番高くなる。配当金は税引き後利益から払われる。配当金を減らせば、税引き後で3%のリターンが得られる。税引き前では4.5%程度の高い確定利回りが得られる計算となる。

 このような場合に、財務戦略として自社株買いを実施することが会社にとって一番利益率の高い投資先となるわけである。米国企業はそういうことを説明していたのだ。

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