Walmartの最高技術責任者(CTO)Jeremy King氏によると、同社は過去5年にわたってクラウドの大規模配備を推進した結果、現在はセキュリティやアジリティの面でメリットを得ているという。
Walmartのプレジデント兼最高技術責任者(CTO)Doug McMillon氏と同社店舗の従業員たち
提供:Walmart
Reutersが報じたところによると、Walmartはこれまでの5年間に莫大な金額を投じてプライベートクラウドを構築した結果、その対価を手にし始めているとKing氏が語ったという。
Reutersの記事によると、同社がこのプロジェクトに取り組んだ理由は、データの格納や分析を効率化し、オンライン販売の売上を伸ばすとともに、小売部門のデジタルな取り組みを促進することにあったという。詰まるところ、WalmartはEコマース分野におけるAmazonとの戦いにおいて、同社の取り組みをさらに強化しているというわけだ。
しかし、WalmartがAmazonに追いつくまでの道のりは遠い。Reutersが引用しているeMarketerのデータによると、米国のEコマース市場におけるWalmartのシェアは3.6%である一方、Amazonは43.5%となっている。
それでもKing氏は、新たに構築したクラウドによって、実現可能なソフトウェア変更件数の合計が1カ月あたり100件から17万件へと大幅に伸びたとReutersに語っている。
Reutersの記事によると、Walmartのプライベートクラウドは「6つの大規模なサーバファームから構成されており、各サーバファームはアメリカンフットボールのフィールド10個分よりも大きい」という。また、Walmartのクラウドイニシアティブの80%は自社内で取り組まれているという。2017年1月のForbesの記事は、Walmartが「世界最大規模のクラウドベースのデータベースを構築」しようとしていると示唆していた。