あなたの企業が他社に対して厳しい態度を取っていない限り、業界内の他の企業と協力し、共有プラットフォームを開発するという3つ目の、そして提唱されている選択肢がある。ハイテク製造業の分野で、製造業によって設計され、製造業によって運用されるプラットフォームを立ち上げるという取り組みが進んでいる。これはドイツの企業を中心に推し進められている価値ある提案だ。最近立ち上げられたADAMOS(ADAptive Manufacturing Open Solutions:適応的製造のためのオープンなソリューション)は、機械工学や製造、情報テクノロジの知識をまとめ上げ、参加企業による実際のIoT活用を支援するためのジョイントベンチャーだ。
筆者は、スペインのマドリッドで1月に開催されたSoftware AGのカンファレンスで、IoTの難問に向けた共有プラットフォームによるアプローチの台頭について論じたADAMOSのマネージングディレクターであるMarco Link氏と話をする機会があった。同氏は「ADAMOSは製造業によって構築された製造業のためのプラットフォームだ」と説明し、「われわれはこのプラットフォームの所有者となると同時に、このプラットフォームのユーザーになりたいと考えている。これは企業と顧客の間に入り込むサードパーティーや、業界の大手企業、大手ソフトウェア企業が存在しないことを意味している。われわれは企業のデジタル市場が提供するものを直接顧客の元に提示する機会を与えるのだ」と続けた。
このアライアンスの創設パートナーには法人向けソフトウェア企業のSoftware AGが名を連ねており、バックエンドのインフラサポートも提供している点は述べておくべきだろう。さらにiTAC Softwareも重要なパートナーとなっている。しかしLink氏は、このプラットフォームがソフトウェアやクラウドを選ばない透明性を有しているとも述べている。同氏によると、現在のところ同アライアンスは「Microsoft Azure」上でサービスを稼働させているものの、どの地域のどのインフラにもすぐに変更できるという。
現時点において、同アライアンスの製造業パートナーにはDMG森精機やDUALIS、Dürr、HOMAG、ISTOS、Schenck、Carl Zeissが含まれている。同氏によると、ADAMOSの目標は今後1年でパートナーの数を200〜300社増やすことだという。