AnyMind Groupは2月13日、マイクロアド取締役およびマイクロアドプラス 代表取締役社長を務めた西山明紀氏が、CHRO(Chief Human Resources Officer)として就任したことを発表した。
左からAnyMind Group 共同創業者兼CEO 十河宏輔氏、同社CHRO 西山明紀氏
企業の根幹をなすのは人材だ。AI(人工知能)を活用したSaaSソリューションを提供するAnyMind Groupは、2016年4月に前身となるAdAsia Holdingsを創業し、組織改編を経て現在は10カ国11拠点で270人以上のスタッフが集まっている。急成長を遂げた同社だが、「弊社は急成長した企業。参画して間もないものの、各所で歪みが見受けられる」と語るのは、AnyMind Group CHRO 西山明紀氏だ。
西山氏はウェブディレクションやシステム設計などに携わり、その後サイバーエージェントに入社。広告企画販売に従事し、マイクロアドへ出向。アドテク(アドテクノロジー)の提供支援を行うマイクロアドプラスを設立、代表取締役に就任した。マイクロアド取締役として国内戦略などを管轄した後、2017年に組織デザインを手掛けるコンサルティング企業設立を経て、2018年2月にAnyMindのCHROに就任した。
さまざまな経歴を持つ西山氏だが、現在はマーケティング業務に強い関心を持っていないという。「マイクロアドの時点でアドテクに一定の達成感を味わっていたが、営業戦略を立てるのは得意だった」(西山氏)が、アドテック分野に参入するのは自身の経歴的に遠慮していた。
その時、マイクロアド時代から上司・部下の関係にあったAnyMind 共同創業者兼CEO 十河宏輔氏に請われ、同社のAIリクルーティングソフトウェア「TalentMind」に自身の構想と共通項を見出し、現在の役職に就任している。取締役時代は300~400人の部下を抱えてビジネス戦略を取ってきた西山氏だが、「共成長する組織構成や販売戦略など経営に必要なあらゆる観点において、人材の採用や育成は大きいポジショニングを占める」と語り、以前からHR(ヒューマンリソース)領域に強い関心があったと言う。
現在開発中のAIリクルーティングソフトウェア「TalentMind」。2018年4月頃のローンチを目指す
昨今はIT技術やアイデアを元に起業するスタートアップが増えているが、少数精鋭で始めるからこそ経営者は、数百人という人材を抱えた経験を持っていない。「スタートアップは経営者も若く、会社も成長に向かってまい進するため、組織に歪みが出てくる。急成長時はビジネスの経験者がいないと、突発的な出来事に対処できない」(西山氏)というリスクを抱えている。AnyMindは、「組織の歪みはトップが自ら解決する部分もあるが、組織構造を理解している彼が参加したのは大きい」(十河氏)と、マイクロアドプラス時代に理想の上司と仰いだ西山氏の参加で、スタートアップが持つ問題が1つ解決したと強調した。
西山氏はAnyMindの各拠点でローカライズを実施する組織を形成し、日本を含めた新卒業者採用プロジェクト管理や既存従業員に対する評価制度の見直しなど、ゼロベースで担当する。だが、自身の経験則に照らし合わせると、現在の人事システムは大きな問題を抱えていると明言する。