「経営を理解する人事が重要」--元マイクロアド西山氏がAnyMindに参加 - (page 2)

阿久津良和

2018-02-22 07:30

 「従来型の人事部では急成長を続けるスタートアップには対応できない。往々にして人事部は経営経験を持たない人事専門家が集まりがち。人材は高コスト領域なのに、BS(貸借対照表)もPL(損益計算書)もCF(キャッシュフロー計算書)も読めない人が多いことに疑問を覚える」(西山氏)。また、「人事関連の経験しか持ち合わせていない方も多く、経営層が示した意向をそのまま汲み取るだけでは、経営に直結しない」とも指摘した。

 もちろん企業規模によって必要な人材は異なる。例えば、数百人規模の企業が次のステージを目指す際は、今後会社を成長させる幹部候補が必要だ。経営層がそのメッセージを込めても人事部が意図をくみ取らずに採用し、配置すると、現場の混乱を招いてしまう。だからこそ、「攻めの人材と守りの人材が必要だが、現状を踏まえれば守りの人材採用が急務」(西山氏)なAnyMindでは、「正しく育成・正しく評価しないと(雇用した)人材は離れてしまう。両者をセットにしたシステムを用意する」(同)。

 西山氏はAnyMindという企業に対して、「これまで見たことがない企業」と指摘した。多くの日本企業は国内で成長し、そこから海外を目指すが、AnyMindはASEANなど成長拠点を押さえつつ拡大してきた。そして、当時部下だった十河氏を指して「型破りな方。自身で高いハードルを設定し、結果を出す。成長速度も速い」と評価。今や共同創業者兼CEOとなった同社にCHROとして就任するにあたり、「アーリー、ミドル、ロングステージを鑑みた採用が必要。難易度は高いが面白く、チャレンジでもある」と意気込みを語った。

 人材がそろいつつあるAnyMindだが、「唯一足りないのはCTO。製品に対する優秀なエンジニアはそろえているが、経営は念頭にない。IT技術を理解した上で開発コストを前提にスピード感を持って議論できる幹部が必要」(十河氏)とさらなる拡大と、バランス良い組織成長を目指す。

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