海外コメンタリー

クラウドはどう選ぶべきか--5人のITリーダーの選択 - (page 2)

Mark Samuels (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2018-02-26 06:30

 英気象庁のチーフアーキテクトJames Tomkins氏によれば、クラウドはより大局的な事業変革プロジェクトの鍵になる要素だという。同庁は三本柱戦略を採っており、組織内の機能には、クラウドを専門とするサードパーティーのコンサルティング企業Cloudreachの支援を受けて、AWSを利用している。

 「クラウドへの移行でもっとも重要なのは、組織にあったプロバイダーを見つけることだ」とTomkins氏は言う。「われわれは調査を実施し、市場ですべての大手プロバイダーとやりとりした。われわれには取り扱っているデータ量の点で特有の事情があり、それらの事業の要件に基づいて判断を下した」

 英気省庁とAmazonの関係は排他的なものではない。ITリーダーは、ビジネスニーズに応じて柔軟にクラウド環境を調達する必要がある。「組織内で進めている開発はAmazonを中心に据えたたものだが、一部のサービスはAzureで提供しており、生産性アプリケーションにも『Office 365』のプラットフォームを使用している」とTomkins氏は述べている。

3.オープン性を保ち、顧客に選択肢を提供する

 海洋土木・施設建造会社McDermott InternationalのCIO兼CDO、Akash Khurana氏は、顧客の観点が重要だと話す。「当社の顧客はさまざまなプラットフォームを利用している。製品を顧客に提供する際に、特定のプロバイダーでしか利用できないなどと言うわけにはいかない」と同氏は言う。

 「このため当社は、興味深い設計上の課題を抱えている。われわれは、作っている製品とプラットフォームについてよく理解し、どう顧客に提供するかについて考えなくてはならない。当社は、プラットフォームに依存しない製品を作ろうとしている」

 同氏によれば、オープンソース技術を使うことで、CIOはさまざまな選択肢を得られるという。重要なのはオープン性だ。Khurana氏は、顧客ベースが制約されないように、事業が特定のプロバイダーにロックインされてしまわないような選択をすべきだと述べている。

 「当社は、GoogleやAmazon Web Services(AWS)、Azureなどのクラウドプロバイダーの機能を使って、適切なストレージやコンピューティング能力を提供できるようにする必要がある。繰り返しになるが、当社は特定のテクノロジに依存しないプラットフォームを構築しようとしている」(Khurana氏)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]