独自のAIチップも検討
ただしAI分野に関してIntelは、Xeon Phiではなく、独自のAIチップを推し進めようとしている。2016年にディープラーニングシステムを開発していたNervana Systemを買収し、このテクノロジをベースにチップ化した「Nervana Neural Network Processor(Nervana NNP)」を2017年10月に発表している。実際にリリースされるのは、2018年になるだろう。

Intelが買収したNervana Systemのニューラルネットワークチップをベースに開発された(Intelのウェブサイトより)
Intelは、Nervana NNP以外にも、脳の機能を模倣してトレーニングと推論を1チップで行い自己学習する「Loihi(開発コード名)」を発表している。Loihiは、2018年に大学や研究所にサンプルが提供され、実際に製品化されるのは2019年頃だろうと思われている。
このようにIntelはGPUではなく、ニューラルネットやディープラーニングなどのAI専用のチップを開発することで、AI分野でのシェアを伸ばしていこうとしている。

Intelはニューラルネットワークを超えるAIチップ「Loihi」の開発を進めている。2018年にはサンプルチップを提供できるようだ(Intelのウェブサイトより)
AI分野の研究や応用が進めばさらに膨大な計算リソースが必要となるため、GPUやAI専用チップに移行していくだろう。ただ、AI研究への投資が進むことで、現在のニューラルネットワークやディープラーニングなどとは違う新たなメソッドが出てくる可能性もある。新たな“テクノロジジャンプ”が起きたときに、専用チップでは対応できなくなるかもしれない。このあたりは、AIを利用していく側も注視していく必要があるだろう。