IDC Japanは2月27日、国内におけるプリンタ/複合機の利用者を対象にしたデジタルネイティブ世代(20~34歳男女)の意識調査を発表した。デジタルネイティブ世代のプリント意識が上の世代とどのように違うかについて調査・分析している。
これによると、デジタルネイティブ世代は社内チャットなどのネットワーク経由のソーシャルコミュニケーションを重視する傾向があることが分かった。また、ワークスタイル変革を志向する傾向が強いことも明らかになった。
例えば、社内チャットを利用する20代前半女性が23.0%であるのに比べて35歳以上世代では10.3%。また、家で仕事するワークスタイルを志向する20代前半女性は37.0%、20代後半女性は40.0%、30代前半女性は38.0%だったのに対し、上の世代の男女では24.4%だった。IDC Japanは、こうしたネットワーク経由のソーシャルコミュニケーションを重視する傾向やワースタイル変革を志向する傾向が強いほど、業務上の平均プリント量も少ない傾向にあると指摘している。
同調査によると、10年後にはデジタルネイティブ世代のほとんどがプリント(印刷)の「頻度が減る」と回答。例えば、現在「やや/かなり/頻繁」に印刷すると回答した20代前半男性が62.0%であるのに対し、10年後の予測の回答では30.0%に減少した。同様に30代前半女性も75.0%から38.0%と大きく減少した。
図1:会社での印刷頻度:10年後の予想(出典:IDC Japan)
また、10年後も印刷する理由として世代を超えた多くの回答者が「文書チェック/推敲」「上司への報告」「文書の長期保管」「顧客への提案書等提出」を挙げた。一方、現在21.2%の回答者が印刷する理由として挙げている「社内ワークフロー」は、10年後は12.2%となった。
図2:10年後もプリントすると考えられる印刷内容(出典:IDC Japan)
IDC Japanは、デジタルネイティブ世代のプライベートでの印刷についても分析を行った。例えば、20代後半女性の印刷内容で多いのはウェブページ、年賀状、写真、クーポンだった。20代前半男性はウェブページ、写真、年賀状が主な印刷内容だった。また、デジタルネイティブ世代には年賀状を全く出さない層が多い(20代前半男女で44.3%、20代後半男女で39.2%)一方で、2019年以降は「年賀状送付枚数が増える」とする回答者も一定以上存在している(20代前半では20.5%)ことが分かった。