AT&Tは5Gに関して大きく先行するための取り組みを進めている。同社の無線ネットワークアーキテクチャおよび設計担当シニアバイスプレジデントIgal Elbaz氏は、スペインのバルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2018」で米ZDNetの取材に応じた。Elbaz氏は、同社の取り組みが進んでいるのは、エッジコンピューティングとネットワークの仮想化に力を入れているためだと語った。
Elbaz氏によれば、同社は「標準ベースのモバイル5G」の世界的な先駆者だ。同社は2018年1月に、約12地域で2018年中に5Gサービスを展開すると発表した。
同氏は米ZDNetに対して、「SDNに関する経験、5Gへの取り組み、エッジコンピューティングへの取り組みなどを持つわが社の立ち位置は独自のものだ」と述べた。
「わが社はそれら3つの領域すべてで積極的に活動している。わが社は独自のチャンスを持っているだけでなく、ネットワークに対する考え方の面でも、ネットワークをどう展開すべきかという点でも独自の優位性を持っていると考えている」(Elbaz氏)
AT&Tが2018年中にサービスを提供する12地域の5Gネットワークのうち、最初の3つであるダラス、アトランタ、ウェーコでは、2017年12月に策定されたばかりの「5G 3GPP」NR標準を使用してサービスを展開する。
Elbaz氏は、NSAの仕様を使うことで、既存のLTEネットワークを活用しつつ全米規模の5Gネットワークを展開できるようになると説明する。
また、AT&Tが2018年2月にFiberTowerの買収が完了したことにも触れ、これによって得られたミリ波周波数帯によって、「わが社の務めを果たす準備が整った」と語った。
「わが社は明らかに、2018年に向けて2017年12月に策定された標準を必要としていた。これからの主な課題は、適切なデバイスや機材を用意できるように、パートナーエコシステムやベンダーの力を結集していくことだ」と同氏は言う。
「わが社はミリ波に関してその取り組みを進めており、FiberTowerの買収も完了した。すべてがよいタイミングで1つにまとまりつつある。それでも設定した目標を達成するのは大変だが、年末までには形にできると確信している」