調査

大企業の6割がクラウド上でのアプリケーション開発を推進--ガートナー調査

NO BUDGET

2018-03-05 07:30

 ガートナージャパンは2月27日、クラウド上でのアプリケーション開発(クラウドAD)に関する調査結果を発表した。本調査は、日本国内の企業におけるクラウドADの動向を明らかにするために、情報システム部門の責任者を対象として2017年4月〜6月に実施されたもの。クラウドADの実施状況、開発手法や言語、稼働環境、開発対象の選定基準、期待事項などについて、業種や従業員数規模別に分析している。

 クラウド(パブリック/プライベート含む)上における、アプリケーションのスクラッチ開発の実施状況について聞いた質問では、今後実施予定の企業も含めてクラウドADを推進している企業の割合は24%となり、いまだ少数派となっている。しかし、従業員数2,000人以上の大企業に着目すると、その割合は60%以上となり、従業員数2000人未満の企業と比べると突出して多いことが分かった。


クラウドADの実施状況 (従業員数規模別)

 クラウドADの対象となるアプリケーションの選定基準を尋ねたところ、「社外向け」は14%にとどまり、「社内向け」の56%や「基幹系」の26%、「周辺系」の38%が相対的に多い結果となった。この結果から、大規模な基幹系アプリケーションから着手するのではなく、比較的軽量な周辺系のアプリケーションからクラウドでの開発を試みる、あるいは影響の大きい社外向けアプリケーションではなく、まずは社内向けで試すという傾向が見て取れる。

 また、クラウドADについて、IT部門主導で行うべきであると考える企業が58%を占めたものの、管轄部門がどこであるかをアプリケーション選定の「基準としない」と回答した企業も31%に上った。

 本調査では、今後実施予定を含めてクラウドADを推進している企業に対し、クラウドADへの期待事項(複数回答)や、期待どおりに実施できたこと、できなかったこと(それぞれ3つまで選択可)についても質問している。期待事項の上位には、「ADのスピード」「ADのコスト削減」「他システムとの連携」「開発環境の維持負担の軽減」「ADの生産性向上」「ADの品質向上」が挙げられた。また、クラウドADで期待通り実施できたとする割合が50%以上に達した項目は、「他システムとの連携」「AD拠点の分散化対応」「ITスキルの低い開発者の参画」「ADプロセスの整備と標準化」の4項目となっている。

 一方、期待外れの割合が期待どおりを上回った、あるいは期待どおりという回答がゼロであった項目は、「ADの品質向上」「ADのコスト削減」「ADプロセス全体での複数ツールの統合労力の低減」「ADプロセス自動化率の向上」「DevOpsの実現」の5項目となった。

 ガートナージャパンでは、ユーザー企業がクラウドADを推進する際には、従来の方法を引き継ぐ方が新しい環境に移行しやすい面もあるとはいえ、新しい開発手法やツールなどの採用を積極的に検討すべきであるとしている。

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