Mesosphereの共同創業者であり、最高技術責任者(CTO)でもあるTobi Knaup氏は、5Gネットワークの興隆によってエッジコンピューティングのユースケースが著しく増加すると述べ、以下のように語った。
ネットワーク速度が低い場合、サービスプロバイダーはデータのクリーニングやスクラビング、最適化を行うエッジコンピューティングデバイスをエンドデバイスの近くに配備する必要がある。これにより、デバイス自体のコストとメンテナンスの双方の面で多大なリソースが必要になる。
エッジでの高速なネットワーク速度が実現すれば、データ密度の高い環境(スタジアムや、数多くの旅行者が訪れる場所)でより高密度のデータ集積が可能になり、結果としてエッジでのアナリティクスやインテリジェンスをともなうユースケースが大幅な進化を遂げられる。
Mesosphereは主に「Data Center Operating System(DC/OS)」で知られている。DC/OSは、近代的なアプリケーションやビッグデータの構築や配備、柔軟なスケーラビリティを実現するトップクラスのプラットフォームだ。Mesosphereは最近、テクノロジのパイオニアとして世界経済フォーラム(WEF)から表彰された。この表彰を受け、同社の最高経営責任者(CEO)Florian Leibert氏はエッジコンピューティングと自動運転車/コネクテッド自動車についていくつかの点を語った。
信頼性が鍵--自動運転のためのクラウドコンピューティングという考えは愚かだ
自動車はさまざまな面において、LiDARに代表されるセンサを数多く搭載した、車輪のついた巨大なコンピュータになりつつある。LiDARのセンサは光のパルスを照射し、その反射光を計測することで、物体までの距離を測定し、自動車の周囲の正確な3Dマップを作成する。
自動運転車1台が8時間走行した場合、これらのセンサや車載GPSをはじめとするシステムによって生成、消費されるデータの量はおよそ4テラバイトにも及ぶ。こうしたデータのほとんどは、即座に処理する必要がある。物体の検知とそれに対する反応が、死亡事故につながるかどうかの分かれ目になる可能性もあるためだ。