エッジでのコンピューティング
自動運転車には、クラウドコンピューティングが適しているようには思えないが、エッジコンピューティングは適していそうだ。MososphereのKnaup氏は、エッジコンピューティングのユースケースを実現していくうえで多くの課題があると指摘した。また同氏は、ネットワークの信頼性について指摘するとともに、エッジのノードがしばしば異種プラットフォーム上に存在している点も問題を複雑にしていると付け加えた。
同氏はさらに、大量の非構造化データを処理するインフラの管理や、機密性の高いデータ(例えばスマートホームから収集されたデータ)の収集に関連するプライバシー保護への要求に対しても、エッジコンピューティングに向かって行くうえで取り組む必要があると付け加えた。
ただKnaup氏は、エッジコンピューティングにつながる機会として、「エッジにおけるデバイスの数が爆発的に増加していこうとしているなか、自動運転車からコネクテッドスタジアムに至るまで、さらにはヘルスケアデータのアナリティクスにおける大きな変革にまで可能性が広がっていく」点についても指摘している。
エッジコンピューティングによって、応答時間の高速化(レイテンシの低さによる)や、コンピューティングタスクの負荷軽減(電力消費も削減できる)、ロケーションに対する意識の向上といったさまざまなメリットが生み出される。
Sierra WirelessのPauzet氏は、IoTを念頭に置いて設計された初の携帯電話データネットワークテクノロジである省電力広域無線通信技術(LPWA)が、IoTアプリケーションの新たなユースケースを生み出す大きな機会を提供するとし、次のように述べた。
LPWAによって、真に画期的なスマートシティやスマートグリッド、スマート農業といったアプリケーションの実現に必要となる、低価格かつ低消費電力のデバイスの普及に向けた地盤が固まる。ここでの課題は、LPWAをデータのオーケストレーションやクラウド、AIテクノロジと組み合わせるところにある。
これにより企業は、アプリケーションの開発や配備、運用にかかる時間とコストを最小化できるとともに、これらのアプリケーションからのデータがもたらす洞察の価値を最大化できるようになる。