5Gが今すぐ利用できれば、本当にすべてが変革されるのか?
Knaup氏は、5Gが今すぐ利用できるのであれば、適切なシステムの使用状況を監視するセンサの数だけでなく、「スマート」なビルやハイウェイ、インフラ(すなわちすべてのドアやエレベータ、設備、滑走路など)における健全性と安全性を向上させるための、絶え間なく、リアルタイムで動作するセンサの数も大幅に増やすと述べた。
5Gが利用できれば、エッジにおけるコンピュート/ストレージ機器から、地域拠点に置かれたバックエンドのコンピュート/ストレージ機器にデータを転送するための有線のバックホールネットワークに対する依存を低減できる。例えば、「電柱取り付け型のキャッシュ」によるコンテンツ配信も可能になる。
ディープラーニング(深層学習)アルゴリズムの性能は、学習できるデータの量に従って向上していくため、深層学習アプリケーションの正確性を追求するために、今日利用可能なデータよりも多くのデータを収集しようとするだろう。

注意!--5Gは過剰期待の頂に差し掛かりつつある。
提供:Gartner
一方、Pauzet氏は、5Gが今すぐ利用可能になったとしても、業界のデータ移送やストレージ、処理に関するものの考え方やアーキテクチャがそれほど変化するかどうか確信が持てないとした。
5Gは、近距離においてマルチギガビットレベルの速度と大容量転送の機会を提供し、新たなユースケースを数多く生み出すが、ものの考え方やアーキテクチャに真の変革をもたらすのはインテリジェントなデータオーケストレーションだ。
業界が現在直面している大きな課題は、IoTのデータをより効率的かつより効果的に抽出、処理、分析、アップデートする方法についてだ。そして、この課題を短期間で解決するものは、より優れたデータオーケストレーションであり、近距離データ転送の高速化ではない。
5Gはエッジ上のデバイスとクラウドの間のデータ転送を高速化できるとはいえ、それによって必ずしも素晴らしい新世界への扉が開くというわけではない。データのオーケストレーションとマネジメントは鍵となり続け、クラウドに適していないユースケースも残るだろう。
これらの見解は、興味深いさまざまな話題に関するヒントをもたらしてくれる。そういった話題については、また別の記事で分析していくことにしたい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。