JTB、ナビタイムジャパン、日本マイクロソフトの3社は2月22日に、訪日外国人旅行者向けコンシェルジュアプリケーション「Japan Trip Navigator」を発表している。同日よりiOS版の提供を開始し、Android版は3月からの提供を予定していることを明らかにした。JTB 取締役 訪日インバウンドビジネス推進部長 坪井泰博氏は、「JTB単体では提供できないサービスを実現できた」と述べ、今後も機能拡充を続けながら、2020年までに200万ダウンロードを目指す。

JTB 取締役 訪日インバウンドビジネス推進部長 坪井泰博氏
観光庁は1月、2017年中の訪日外国人旅行者数が前年比19.3%増の2869万人と過去最高を記録したことを公表した。政府は2020年までに4000万人、2030年までに6000万人の訪日外国人旅行者数を目標に掲げ、日本の観光立国化を目指している。JTBによれば2869万人のうち半数は個人旅行者が占めたという。この高まるインバウンド需要を踏まえて同社は、「訪日外国人旅行者に寄り添いながらサポートし、日本を楽しく観光することを目的に開発した」(坪井氏)とアプリケーション開発の意義を語る。
3社が協業し、開発したJapan Trip Navigatorは、JTBがアプリケーションから得た旅行者の移動データ、思考データを収集分析し、訪日外国旅行者の誘客を望む自治体や企業への支援に活用。ナビタイムジャパンは、アプリケーション自身の開発や経路誘導技術を提供し、インバウン受け入れ環境の貢献を目指す。日本マイクロソフトはパブリッククラウドやチャットボットを始めとする人工知能(AI)を提供。
今後は蓄積データから利用者に対する推奨機能を始めとする技術支援を継続する。

JTB 訪日インバウンドビジネス推進担当マネージャー 吉永善顕氏
Japan Trip Navigatorは札幌を中心とした北海道地域、東京を中心とした関東地域、京都、大阪地域、福岡を中心とした九州地域、沖縄地域と計5地域で、「るるぶ」への掲載情報を元にした100通り以上の旅行計画を提供。また、店舗の営業時間や画像による現地の様子などを含む約3600件以上の観光スポット情報も備える。旅行者はナビタイムジャパン提供アプリケーション「NAVITIME for Japan Travel」と連携することで、観光スポットまでの移動経路の検索や、ホテルなど事前予約が必要な施設の専用ページへ遷移可能だ。
「旅行者はプランに含むスポット数と移動までも所要時間を確認し、具体的な観光プランを確認できる」(JTB 訪日インバウンドビジネス推進担当マネージャー 吉永善顕氏)。なお、旅行計画は利用者が独自に組み立てることも可能だ。

JTB、ナビタイムジャパン、日本マイクロソフトが開発した「Japan Trip Navigator」