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IT部門の苦悩(3)--そもそも日本企業である時点で苦悩がある

宮本認(ビズオース )

2018-03-10 07:30

(本記事はBizauthが提供する「BA BLOG」からの転載です)

そもそも日本企業である時点で苦悩していている

 新たに情報システムを入れ替える。新しいeCommerseの仕組みを導入する。こうしたプロジェクトは会社にとって重要プロジェクトと認知されるようになった。昔は100億くらい損をしても大丈夫だと笑って労ってもらえたらしい。そうした失敗をしても、上級役員まで登り詰めている人に何人かお会いしたこともある。

 今は、失われた20年を経て、10億円のプロジェクトでさえ、企業の中では必ず成功させなければならないプロジェクトだ。重要な情報システムのプロジェクトは、結構な投資がかかる。現代では間違いなく重要プロジェクトだ。

 しかし、プロジェクトは多くの場合、失敗する。これは日本だけではなく、世界中そうらしい。某調査会社が調べた、10億円)($10million)のプロジェクトの80%は失敗するとのレポートを読んだ記憶もある。だから、日本だけがダメなのかというと、そうではないのであろう。欧米でも、80%の企業はダメなのだ。

 日本でも、80%くらいは失敗しているのではないだろうか。いや、実態としてはもっと深刻なのではないかと思っている。欧米は先進的な取組をするというチャレンジで失敗するのに対し、日本は遅れを取り戻す挽回の取り組みで失敗するからだ。差は、どんどん広がっていく。

 欧米は、ことITの領域に関しては、新しい技術の導入は、もはや10年くらい日本よりも先んじている。日本のITは相変わらず、海外からの輸入ソリューションに頼っていることはその証左の1つだ。日本発で輸出しているITなんて何もない。あるのかも知れないが、ITを専門家にするわれわれでさえ知らないので、ニッチなものなのだろう。

 日本の場合、10年遅れをちょっとだけ取り戻すプロジェクトに、相応の投資がされる。しかし、この取り組みでさえも、お決まりのようにプロジェクトは迷走し、経営やユーザーが求める期限には到底間に合わず、支出は膨れ上がるという失敗が、ここかしこで起こっている。

 日本は最早、ハイテク国家ではない。現代のテクノロジはITを抜きに語れず、IoTやAIなど、さまざまなテクノロジが勃興しているが、日本は遅れている。頑張っている研究者の方はいるだろうが、実際に産業にならないと、企業、消費者にはイノベーションを実感できないし経済成長もない。

 また、IoTやAIなどが、実際に企業業績に貢献しないと、研究などを続ける原資も尽きてしまう。欧州などでは、IoT住宅が既に築100年の普通のアパートメントにも導入されていると聞く。これだけ住宅産業が発達している日本において、例え新築マンションであったとしてもどれだけIoT化がされているだろうか。

 まずは、日本にいるというだけで、既に苦悩が始まっているのである。その認識を持つべきであろう。

宮本認(みやもと・みとむ)
ビズオース マネージング ディレクター
大手外資系コンサルティングファーム、大手SIer、大手外資系リサーチファームを経て現職。17業種のNo.1/No.2企業に対するコンサルティング実績を持つ。金融業、流通業、サービス業を中心に、IT戦略の立案、デジタル戦略の立案、情報システム部門改革、デジタル事業の立ち上げ支援を行う。

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