今週の明言

「オンプレミス型従量課金サービス」を推進するHPEの思惑 - (page 2)

松岡功

2018-03-09 11:00

「企業はカスタマーエクスペリエンスの推進リーダーを設けよ」
(ガートナージャパン 川辺謙介 ガートナーリサーチディレクター)


ガートナージャパンの川辺謙介ガートナーリサーチディレクター

 ガートナージャパンが先頃、自社フォーラム「ガートナー カスタマーエクスペリエンス サミット 2018」を都内で開催した。川辺氏の冒頭の発言はその講演で、企業としてカスタマーエクスペリエンス(顧客体験、以下CX)を推進するリーダーを設ける必要性を訴えたものである。

 川辺氏によると、CXは過去5年にわたり、最高経営責任者(CEO)、最高情報責任者(CIO)、最高マーケティング責任者(CMO)にとっての最優先課題となっており、複数のコンタクトチャネル、データソースおよびテクノロジを組み合わせた、これまでにない新たなCX戦略の策定が求められているという。

 ただ、日本の企業がCXリーダーを設けているかどうかを聞いたガートナーの調査によると、「役員やリーダーはいない」との回答が6割近くを占めた(図1)。この結果に対し、川辺氏が強く訴えたのが、冒頭の発言である。


図1:日本企業におけるCXリーダー設置の状況(出典:ガートナージャパン)

 また、CXリーダーを設ける際、企業の中でその立ち位置を明確にしておく必要があるとして、図2を示した。ポイントは、顧客接点部門間の調整役となるとともに、特にCIOとの関係構築を重視することである。


図2:企業におけるCXリーダー(CXO)の立ち位置(出典:ガートナージャパン)

 川辺氏はもう一つ、企業におけるCXの推進について訴えていた。それは、「CXがビジネス上の大きな差別化要素になる」ということだ。なぜ、大きな差別化要素になるのか。同氏は「自社で感動や強い思いをもとに生み出したCXは独自のものとして、製品やサービスと違って、他社にそう簡単にマネされない形になる可能性が高い。それが多くのお客さまに受け入れられ、強いインパクトをもたらすことができれば、何にも増してビジネス上の大きな競争力になる」からだと説明した。

 だからこそ、企業はDXリーダーを設けよ、というのが川辺氏のメッセージである。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]