DropboxとSalesforce.comが戦略的提携を拡大し、共同顧客向けにそれぞれのプラットフォームをより密に統合することを発表した。
この提携では、Salesforceの「Commerce Cloud」「Marketing Cloud」「Quip」の各プラットフォームが中心となり、これらプラットフォームとDropboxとの間でネイティブに双方向のアクセスを可能にする。
両社の幹部が語った具体的な計画によると、統合を提供するにあたって、2つの分野にフォーカスするという。ブランドエンゲージメントとデジタル資産管理、そしてクラウド環境におけるチーム向けの生産性向上とコラボレーションだ。
Salesforceのグローバル事業開発および戦略担当エグゼクティブシニアバイスプレジデントのRyan Aytay氏は、ブランドエンゲージメントの分野について、ブランドのDropboxフォルダをSalesforceのCommerce CloudとMarketing Cloudに作成し、チームメンバーと外部パートナーの双方がアクセスできるようにすると説明している。
生産性とコラボレーションの分野はQuipが中心となる。DropboxをQuipに統合することで、Quip内でDropboxのファイルにアクセスできるようになり、DropboxでQuipのファイルを利用することも可能になるという。
Dropboxの最高執行責任者(COO)であるDennis Woodside氏は、「われわれのプラットフォームの統合を進め、新しいツールを構築することが狙いだ」と述べる。「Salesforceとは4年前から提携関係にあるが、2社を結びつけるという点でこの提携は全てを新たな段階に進める。これまでとは異なるレベルの戦略的な提携関係を実現しようとしている」(Woodside氏)
長期的には、両社は統合をコンシューマー向けチャネルにも拡大したいとしている。例えば、Commerce Cloudを使う自動車企業であれば、自動車の所有者向けのマニュアルをコンシューマーのDropboxアカウントで直接更新できるようになるといったことが考えられる。
Dropboxはすでに、Salesforceの「Salesforce AppExchange」で「Dropbox for Salesforce」アプリを提供している。一方、Salesforceの投資部門であるSalesforce Venturesは2014年よりDropboxに出資している。
Dropboxは2月に、新規株式公開(IPO)申請書類を米証券取引委員会(SEC)に提出している。長く憶測されていたIPOの見通しが立ったことになる。また3月に入り、Googleとの提携も発表した。Googleの「G Suite」のクラウドツールとDropboxのコラボレーションプラットフォームを連携させるクロスプラットフォームの統合を実現するとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。