音声が、コンピューティングにおける次世代の主要インターフェースになるという未来が次第に明らかになってきており、スマートフォン時代の象徴とも言えるタッチベースのインターフェースを置き換える事例も出てきている。「Amazon Alexa」や「Googleアシスタント」、Appleの「Siri」、サムスンの「Bixby」は状況に適したデータを提供し、ユーザーに代わって作業を実行することで、音声インターフェースの世界に向かう流れの先頭を走っている。
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音声ベースのバーチャルアシスタントが、スマートフォンやスマートスピーカ、自動車を含むさまざまなフォームファクタのデバイスに浸透していくとともに、一般大衆に対する影響度合いも大きくなってきている。また、コンシューマーのユースケースが集積するにつれ、こういったアシスタントがオフィスへと浸透していく道も開け、業務の生産性と効率の向上に向けた機会を生み出している。
音声アシスタントは、例えば楽曲のプレイリストを再生するという使い方で知られているが、職場においても大きな可能性を秘めている。以下では、デジタル音声アシスタントがオフィスを変革する5つの道を紹介する。
#1:生産性向上の起爆剤
音声アシスタントの現時点での能力は限られているように見えるかもしれないが、いつかはバーチャルな同僚として一緒に働けるようになるだろう。こうした役割において、音声アシスタントは人間の従業員の片腕として機能し、繰り返しの作業を任されるようになることで、従業員はよりレベルの高いプロジェクトに集中できるようになる。
言い換えれば、Siriやその他のアシスタントは、単に音声によるコマンドを実行するデバイスというだけではなく、より大きな変革を象徴するものとなっている。451 Researchの上級アナリストであるRaul Castanon-Martinez氏によると、こういったアシスタントはヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI)の未来を描き出しているという。
Castanon-Martinez氏は、「これらは、われわれがコンピュータとやり取りする方法を変革するものの、テキスト/キーボード入力やタッチスクリーン、コンピュータビジョン、ジェスチャを含むより大きな世界を構成する一部だ。そしてAmazonやGoogle、サムスンはそのような世界に向けた取り組みを既に開始している」と述べるとともに、「言い換えれば、われわれは間もなく音声を扱うアシスタントを手に入れられるだろうが、マルチモーダルインターフェースを有したアシスタントについても、そう遠くない時期に手に入れられるだろう」と述べた。