Russinovich氏は、このようなプログラムを可能にしたのはクラウドだと語った。AIや機械学習の開発者が必要としていたリソースが、クラウドで得られるようになったのは最近のことだ。クラウドを利用すれば、事実上無限のストレージや、NVIDIAの「Telsa K80」や「Telsa P100」などの高速なGPUが使える低コストなコンピューティング能力を、スケーラブルな形で、オンデマンドで利用できる。これらの特長を備えたクラウドによって、AIや機械学習の開発者は、実験に必要なリソースを得られるようになった。また、同氏が言うように、「AIや機械学習は一種の芸術であり、実験が必要」な分野だ。
それを実現するためのツールやプログラム、フレームワークは、ほぼすべてがオープンソースだという。Russinovich氏は、「まず必要なのは、『MySQL』『PostgreSQL』『Hadoop』『Cassandra』、そしてNoSQLデータベースだが、これらはすべて完全にオープンソースだ。アナリティクスや予測には、『R』や『Spark』が使われる。また、TensorFlowや『Keras』『Caffe』などの人気のある深層学習ライブラリもすべてオープンソースになっている」と述べた。
同氏はさらに、「機械学習の専門家は、2007年にオープンソースがAIと機械学習に適した手法であることに気づいた。今日では、どちらもオープンソースに依存している」と続けている。
Russinovich氏は、オープンソースとクラウドコンピューティングによって、AIと機械学習があらゆる産業を変革しつつあり、これはマーケティングのためのうたい文句ではないと考えているという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。