オープンソースの世界はとかく技術寄りの話になりがちだが、「ビジネスのためのオープンソース」をもっと発信すべきではないか ――。そんな疑問をレッドハットに聞いてみた。
オープンソースの技術寄りの話ばかりになりがち会見
会見に臨むレッドハットの望月弘一社長
レッドハットが先頃、RPA(Robotic Process Automation)や人工知能(AI)技術を活用した意思決定支援ソフトウェア「Red Hat Decision Manager」の最新版を発表した。従来のBRMS(Business Rule Management System)ソフトウェアである「Red Hat JBoss BRMS」をグレードアップしてブランド変更したもので、この分野では国内シェアトップの人気商品だという。
同社はこの発表に伴ってBRMS分野の動向やユーザー事例について記者説明会を開き、望月弘一社長も出席した。通常、こうした個別製品の会見に望月氏が出席することはまずないが、今回の新製品は経営層やビジネスパーソンにメッセージを発信する必要があることから、社長自らの出番となったようだ。
望月氏は会見の冒頭で、企業のビジネス変革を支えるソリューションとして、アプリケーションの高度化による「新しいアイデアの早期実現」、ハイブリッドクラウド&コンテナ活用の促進による「次世代のIT環境」、DevOps(開発と運用の連携)やITオートメーションによる「継続的なサービス改善」の3つを掲げた。(図参照)
図:企業のビジネス変革を支えるレッドハットのソリューション
新製品の内容については発表資料をご覧いただくとして、ここでは筆者がかねてレッドハットの会見について感じていたことを望月氏に聞く機会があったので、そのやりとりを記しておきたい。
筆者がかねて感じていたのは、レッドハットの会見はオープンソースにおける技術寄りの話ばかりになりがちということだ。特に個別の製品やサービスの説明となると、その色合いが濃くなる。それはそれで、企業のIT部門の技術者に向けて必要な話ではあるが、一方で経営者やビジネスパーソンを意識した分かりやすいメッセージも発信すべきではないかというのが、筆者の一言もの申したい点だ。