強みはローコスト、ハイスピード、グローバルだが…
そんな思いもあり、今回の会見ではRPAやAIといった言葉も出ていたことから、質疑応答で「RPAやAIを活用したビジネス変革に向けて、オープンソースをベースとしたレッドハットの製品・サービスがなぜ適しているのか。ビジネスパーソンにも分かるように説明してほしい」と聞いてみた。すると、望月氏は次のように答えた。
「3つ挙げたい。1つ目は、オープンソースベースなのでコスト競争力があること。2つ目は、巨大なオープンソースコミュニティーでの開発によって技術革新のスピードが速いこと。そして3つ目は、オープンソースによりグローバル規模でのビジネスやベストプラクティスの広がりがあることだ」
確かに、同氏が挙げたローコスト、ハイスピード、グローバルの3つは、オープンソースならではの強みだといえる。しかし、企業向けのオープンソース関連製品でリーディングカンパニーのレッドハットだからこそ、もう一歩踏み込んで「ビジネスのためのオープンソース」をもっと発信すべきではないか。
その意味では、今回の新製品などはビジネスメリットを訴えやすいかもしれない。さらに、同社が今注力している「OpenShift」が実現するコンテナは、これまでのITの仕組みや使い方を大きく変える可能性のある話だ。そこで提供できるレッドハットならではのビジネスメリットは何なのか。そんなメッセージをこれからはどんどん聞かせてもらいたい。
IBMは最近、競合との違いを示すために、「ビジネスのためのクラウド」、あるいは「ビジネスのためのAI」という表現をよく使う。「ビジネスのためのオープンソース」はその表現にならったものだが、レッドハットに一番フィットするような気がする。オープンソースの世界をさらに広げるためにもぜひ一層深く掘り下げていってもらいたいものである。