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日本株展望

「優待タダ取り」はできないが、低コスト・低リスクで優待を得ることは可能 - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2018-03-14 10:52

制度信用でなく一般信用を使うのが望ましい

 最初にお伝えしたように「優待タダ取り」はできない。売買手数料や貸株料などのコストがかかる。優待取りにかかるコストが優待で得られるメリットより大きくならないように注意する必要がある。

 制度信用(取引所が提供している信用売り)を使うと、逆日歩(ぎゃくひぶ)というコストが発生して優待メリットを上回るコストが請求される場合もある。逆日歩が発生しない一般信用・短期取引を利用する方がいいだろう。

 それでは、つなぎ売りで優待を取るのにかかるコストを優待が魅力の銘柄「A社」を例に取って説明する。具体例な金額を示して説明するが、前提条件が変われば数字が変わることを理解していただきたい。

つなぎ売りを使った優待取りのメリットとかかるコストの比較

前提条件

  • 3月16日にA社100株を5000円で買い(約定金額50万円)
  • 同じ日にA社株100株を5000円で信用売り(約定金額50万円)
  • 優待を得る権利が確定する3月28日に現渡で決済
  • 100株保有すると3月末基準で5000円相当の優待品を得る権利が確定
  • 100株保有すると3月末基準で1%(5000円)の期末配当金を得る権利が確定
  • 貸株料・配当金調整額は一般信用の料率で計算(制度信用では異なる数値となる)
つなぎ売りを使った優待取りのメリットとかかるコストの比較

 上記の例では必ずかかるコストは1105円だから、優待メリットが5000円相当ならば十分にメリットがある。

 ただし、これ以外にもコストがかかる場合がある。大きなコストとなる可能性があるのは逆日歩だ。制度信用を使う場合にかかる可能性がある。人気の優待銘柄で優待メリットをはるかに上回る逆日歩を請求されることもあるので注意を要する。事前には金額が分からず、事後的に決まった金額を請求される。

 楽天証券が「優待取りのつなぎ売り」などのために用意している「一般信用・短期」を使えば逆日歩は発生しない。制度信用ではなく一般信用でつなぎ売りした方がリスクは小さいといえる。

 もう一つかかるコストは、配当金相当額(支払)と配当金(受取)の差額である。つなぎ売りしたまま配当金を得る権利が確定すると、信用売りしている100株に対して、配当金相当額(ここでは5000円。一般信用取引[売建]の場合は配当金の100%)を支払う必要がある。

 一方、買って保有している100株では配当金(税前5000円)を得る権利が確定する。ただし、実際に受け取るのは源泉税(1015円)を差し引いた金額(3985円)である(源泉分離課税を選択の場合)。配当金相当額(支払)と配当金(受取)の差額1015円はコストとなる可能性がある。

 損益通算を使えるように手続きしていれば、この1015円は後から還付されるが、そうでない場合はそのままコストとなる(詳しい説明は割愛)。

 なお、信用取引にかかるコストについては、以下も参照いただきたい。

 次回のレポートで、一般信用・短期を使ったつなぎ売りの手続きについてさらに詳しく説明する。

 過去記事は、キーワード「日本株展望」から読めます。

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