過度なメール依存をやめればメール処理時間は30分で済む
ガートナーのリサーチ部門でバイスプレジデントを務める志賀嘉津士氏
過度なメール依存から脱却せよと志賀氏は言う。一般的な社員はメールの処理に1日あたり2時間をかけているが、ITを活用すれば30分に短縮できるという。
メールの主なメリットは記録を残せることだが、メールの8割は社内の伝達で、外部とのやりとりは2割しかない。「メールは外部とのやりとりだけでいいのではないか」と志賀氏は指摘する。社内の伝達ならチャットで済むし、文書共有や議論には他の手段がある。
会議時間は、1日あたり2時間が使われているが、これを1時間に短縮できる。会議のスケジュール調整には、AIスケジューラが有効だ。Googleが提供する「おすすめの時間」機能を使えば、これまで1つの会議のスケジュール調整に30分かけていたところを5分で済むようにできるという。
カラ予約(使うかどうか予定だが、とりあえず部屋を押さえておく使い方)によって部屋が常時埋まっていることへの対策もある。人感センサによって予約を強制的にキャンセルするスマートルーム技術だ。
1日あたり5.5時間を占める付帯業務についても、1時間削減して4.5時間に短縮できる。トップ営業のベストプラクティスを共有したり、情報が欲しいタイミングで管理者からチャットでアドバイスを受ける機能が有効だ。ある企業は、受注件数が前年比360%に増えた一方で、残業時間を30%削減した。