NECは3月20日、2016年から展開している法人向けVR(仮想現実)ソリューションに、触感や視線追跡のセンサを組み合わせた新機能を発表した。従来に比べてインタラクション性の高いVR活用を実現するという。
法人VRソリューションは、人手不足や技能承継のための人材育成、販売促進などを目的に、利用シーン(トレーニング、シミュレーション、コミュニケーション、セールスプロモーション)に応じたVRコンテンツやヘッドマウントディスプレイ(HMD)、PCなどで構成される。これまで交通や製造、消防、小売など30社以上への導入実績がある。
新たに追加したのは、触感フィードバック技術と連携する「生産ライントレーニング」と、視線追跡技術と連携する「店舗棚割りシミュレーション」の2種類。
生産ライントレーニングでは、exiii(イクシー)製の「触感フィードバックデバイス EXOS」を組み合わせ、VRコンテンツで再現した物体の触感(やわらかさや形状)をユーザーが手にするデバイスで再現する。球体や立方体のCGをつかんだ際の感触や、指で弾くと物体がその強さに応じて動く状況を体感でき、視覚でとらえるVRコンテンツの状況との組み合わせによって、これまで以上に臨場感のあるトレーニングが可能になった。

触感フィードバック技術と連携する「生産ライントレーニング」のデモ
店舗棚割りシミュレーションでは、センサを内蔵したFOVEのHMDと、サイバーリンクスの棚割データを組み合わせ、HMD内のセンサでユーザーの視線の動きを追跡し、VR画面上にヒートマップで表示する。これによって例えば、店舗で来店者が商品棚のどこに視線を集中させるのかを把握でき、売れ筋商品や注力商品をどう棚に陳列するのかの検討が効率的に行える。従来は、検討する際に商品を手作業で繰り返し並べ替えるなどの手間があった。また、VRでは大人や子供といった来店者の属性に応じた視線の動きも容易に反映できるという。

視線追跡技術と連携する「店舗棚割りシミュレーション」のデモ